第307話 探索

「アディー、無理することはないからね、まなもだよ?」

「え? あの、愛花先輩?」

「ふふ、バラされちゃいましたね、実は私も未経験なんです。」


 愛花のまさかの告白に、アデラインは翠眼を大きく開き呆気に取られてしまった。

愛花は我が家で暮らし始めて4ヶ月、それ以前にも幾度となくお泊まりしているので『洗いっこ』自体の経験はあるのだが、これまで男性の象徴を洗ったことはなかった。

それと言うのも…


「いつも涼菜さんが独占しちゃうんですよ、『この子はあたしが綺麗にしてあげるね♪』って、なので、今日はまたとないチャンスなんです!」


 俺は両の拳をグッと握りしめて力説する愛花に苦笑いを浮かべる。

たとえ風呂で洗う機会はなくともベッドの上ではいつも触れているのだから、それほど拘る必要はないのではないかと思う。

ただ反面、女性の細い指で優しく丁寧に洗ってもらうと、えも言われぬ気持ち良さがあることもまた事実だ。

 涼菜おにの居ぬ間に何とやら、多分愛花は、彼女と俺の両方の欲求を満たすつもりなのだろう。


「くすっ、分かった、それじゃあ今夜は、まなとアディーにお願いしようかな。」

「ふふ、それじゃあ、お願いされちゃおうかな?」

「わ、私も、その…、粗相のないように、精一杯努めさせていただきます////」


 喜色を浮かべて茶目っ気を見せる愛花と、はにかみながらも奉仕してくれようとするアデライン。

今夜はこの二人と共に、今暫く浴室に留まることになりそうだ。




「え、それしなきゃダメ?」

「その方が綺麗に洗えるってネットで読んだよ?」

「愛花先輩、事前に調べていらっしゃったのですね…」


 お互いに楽な姿勢でいられるようにと床に仰向けに寝転がったところ、愛花からリクエストをもらった。

今すぐ勃起せよと言うのだ。


「皮がピンと伸びるから満遍なく洗えるんだって、この引っかかりの裏も洗いやすくなるって。」

「なるほど、たるみがあると洗い残しが出そうですね。」


 愛花が象徴の中頃をクイと折り曲げ解説する。

普段から清潔にすることを心がけてはいるが、洗い方を調べたことはなかった。

何事にも入念に下調べした上で臨むのは、学習意欲が旺盛な愛花らしいところだろう。


 それにしても、自分のパーツを二人の美少女がまじまじと覗き込んで考察している姿は、何とも言い難いものがある。

俺はこのような絵面のことをシュールと言うのだろうかと思いつつ、二人の様子をぼんやりと眺めていた。




「悠樹、こんな感じでどう?」

「うん、凄く気持ち良いよ。」

「お兄さま、こちらはいかがでしょう、痛くありませんか?」

「大丈夫、もう少し強くても良いかな。」


 美少女二人は半勃起(この状況でフルは無理です)した男性の象徴にボディーソープの泡をたっぷりと纏わせてから、愛花は頭をやんわりと撫でるように、アデラインは袋をくにくにと揉みほぐすように洗い始めた。

 二人がどの部分を担当するのかは直ぐに決まった。

二人の興味の対象が違ったからだ。


「あらためて見ると良くできた形だよね、色々な要素を兼ね備えてる。」

「本当にそうだね、合理性だけじゃなくて、快感を得やすいようになってるし、う…、そこ…」

「ふふ、弱点みっけ♪」


「不思議な器官です、この真ん中の縫い目のようなものは何なのでしょうか。」

「それは女性の部分の外側が癒着した跡らしいよ、ちなみに男性の象徴は女性の1番敏感な箇所が変化したものだとか。」

「そうなのですね、この縫い目が…(つんつん)」

「あれ、そこも…」

「わ、私もみっけです!」


 女性二人は男性の象徴を目の前にした性的なものでなく、好奇心や探究心から興奮し始めてしまった。

このあと二人は当初の目的を忘れ、俺の全身をまさぐって弱点(性感帯とも言う)探しに時間を費やしたのであった。




「ん…、んん…、ん…、悠樹…、そこ…、あん…」


 浴室に愛花の甘い声が響き渡る。

彼女は胡座をかいた俺の足に収まり、あられもなく両足を広げていた。


「もう綺麗になったんじゃないかな、そろそろ終わろうか。」

「いや…、ダメ…、お願い、もっと洗って…」


 女性の部分を掻き撫でていた指の動きを止めると、愛花はまだ足りないと懇願しながら、自ら腰を浮かせて指に擦りつけてくる。

俺は彼女の願いを聞き入れ、内襞の間で止めた中指と薬指をやんわりと滑らせ始めた。


「ああ…、愛花先輩…」


 俺たちの傍ではアデラインが両の掌を口に添えて思わずと言った様子で呟いている。

愛花を洗い始めた時には声を出すことも出来ずにただ目を見張っているだけだった彼女は、いつの間にか身を乗り出して、愛花の秘部で行われている遊戯ゆげに見入っていた。


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