第128話 舞台裏
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性懲りもなくエチです。
苦手な方はご注意ください。
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1組の男女がダンスに興じていた。
白い舞台上で、互いに触れ合い、絡め合い、時には折り重なって、美しい舞を披露していた。
二人が舞台に立ってからどれほど時が流れただろう、演技はクライマックスへ向けて最高潮に達していた。
男性は強靭でしなやかな筋肉を纏った体を躍動させて女性を突き上げ、女性は長い黒髪を振り乱しながら恍惚とした笑みを浮かべて、均整のとれた真っ白な裸体を繰り返し上下させている。
男性の腰と女性の尻が激しく打ち合う度に飛び散る汗は、さながら宝石のように眩く光り輝く。
私は、瞬きをするのも忘れて、二人が見せる幻想的な光景に魅せられていた。
1組目の演技の熱気が残る中、女性が入れ替わり、2組目の演技が始まった。
二人が笑顔を交わして踊り始めると、前の組との特徴の違いが直ぐに現れた。
女性は、真っ白な猫の如く、戯れつくようにして男性の体の上を右へ左へと気まぐれに動き回り、触れようとする男性の手さえもをすり抜けながら、まるでこれは自分のものだと主張するように全身を擦り付けマーキングしていく。
かと思うと、捕らえた獲物のように男性を押さえつけて、舌を這わせ、噛みつき、爪を立て、おもちゃのようにしてもて遊んでいた。
最高の見せ場は、二人の昂りが頂点を迎えた時だ。
女性は猫だけではなく様々な動物に擬態しながら、変幻自在にポーズを変えているのに、男性との繋がりが一度も途切れないのだ。
もちろん、男性のサポートがあってのことなのだが、彼を決して離さないという女性の強い意思を感じた。
二人の演技は、人がこれほどの野生を持っているものなのかと、見る者を圧倒する迫力に満ちていた。
「ふわぁ、あれで終わりじゃないんだぁ…」
悠樹と涼菜さんが、激しい行為の後に微笑みながら語らい出したので、てっきり余韻を楽しんでいるのかと思ったら、そのまま静かに睦み始めてしまった。
目の前の出来事に呆けていると…
「すずは必ず2回はするの。て言うか、さっきのは戯れて遊んでるだけなのかもね。」
「さっきのがですか? あんなに、激しかったのに…」
「あれも、すず流の甘え方だと思うよ? これからが本番ってことじゃないかな。」
この家にお邪魔した時に彩菜さんが言っていたことが、ようやく分かった。
先ほどのは確かに凄かった。
しかしそうすると、これから私は、あれ以上の行為を目撃することになるのだろうか…。
思わず考え込んでしまった私の隣で、くすくすと笑う声がした。
「多分、愛花ちゃんが思ってるようなプレイじゃないよ? もうね、甘々のべったべたで、お腹いっぱいになっちゃうから。」
「プ、プレイって、私はそんな…」
先ほどとはまるで違って、二人は甘く語らいながら、少しずつ次の行為に移り、徐々に気持ちを高めているように見えた。
ワイルドに、そしてスウィートに、きっと涼菜さんにとっては、この2つが合わさって、初めて1つの行為となるのだろう。
それも、昨日、彩菜さんから聞いたことと関係しているのだろうか…。
一瞬、また考え込みかけたけど、今はそういう場ではないと思い直して話を戻し、彩菜さんの場合を聞いてみた。
「あの、彩菜さんは、2回したりは…」
「私は気分次第。まるでしない日もあるしね。」
「そうなんですね…、もしも、したくない時に悠樹が求めてきたら? それは断るんですか?」
「求められたらどうかな。ゆうは求めて来ないから、分からないけど。」
意外だった。
男性はいつでも女性を求めるものだと思っていたし、きっと無理強いしないまでも、悠樹から求められるのだろうと思っていたから。
「ゆうに、女性の愛し方を教えた人が、そうさせたみたい。男の欲を押し付けるなって。それが、染みついちゃってるんじゃないかな。」
「そんな人がいたんですか…」
「うん、他にも、相手をちゃんと気持ちよくさせるとか、どうしたいかを聞くとか、嫌がることはしないとか、色々なことを教わったみたい。私たちが、ゆうと肌を合わせ始めたのは2年前からだけど、その時には、女性の体を全部知ってる感じだったしね。」
悠樹の優しさは、彼が元々持っていたものだと思うけど、先ほどから見せられている清澄姉妹との睦み合いや、何も知らない私を一つの違和感もなくリードしてくれたことなどを考えると、十分納得できる話だった。
ただ、14歳の少年が女性の体を知り尽くすなんて、一体彼はいつから、誰にそれを教わったのだろうか…。
「ゆうに女性のことを教えたのはね、亡くなった私の姉なの。でも、詳しいことは私もね。だからね? 愛花ちゃん…」
私は彩菜さんから2つ目の宿題をもらってしまった。
「そっか、あやが話したんだね。」
「はい…、後は悠樹に聞くようにと、その人のことを知っておいてほしいと言われました…」
お泊まり最後の夜、晩御飯の後、直ぐに愛花と二人だけで入浴して、早々とベッドに入っていた。
本来であれば、今日は致さない日なのだが、平日一緒にいられないからと清澄姉妹に頼み込んで、明日に響かない早い時間に二人きりにさせてもらったのだ。
ベッドに二人きりと言っても、今晩は戯れ合ったり、会話を楽しむ程度にした。
彼女は最後までしても構わないと言ってくれたが、初日に苦しい思いをさせたばかりなので、無理をさせたくなかったのだ。
一頻り甘い触れ合いに興じてから寝物語に入った時に、結菜のことを尋ねられた。
彩菜と涼菜の姉・清澄結菜、一月前までは思い返すことさえ叶わなかった、今はもう居ない、俺の
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