第25話 地球の赴任役
「圭一駄目よ、宇宙人に人間の情けをかけては駄目。人間の心が宇宙人の全てに理解出来ていると思ったら間違いだから。だからアンダーソンは私が始末しないと」
サラ王女が圭一の言う通りにしない。サラ王女は鉄のハンマーを持ち出し、それをアンダーソンの脳天に叩きつけようとするのであるが、それを止める、圭一達である。
「サラさんやめるんだ。それでは地球人とのコミュニケーションが取れなくなる。それでもいいのか。アナタが言っていた事は自分で否定する事になるかもしれないのだぞ」
尚も引かない圭一に対し、サラ王女はちょっとムッとしたようであるが、それでも話しが通じない相手ではないので、圭一への貸しという事で、この場は取り繕った模様である。
「アンダーソン、地球人の善意に感謝するのね。追放された私だったらアナタを生かすことはできないわ」
「わかっています。反論はしませんので」
心の怒りが収まらなサラ王女は、圭一の気持ちに配慮して、手を加えない事を約束するのである。
「サラ王女さすがです。それでこそ、民衆もついてくるでしょう。やったではないですか」
サラ王女の取り巻きが彼女の周辺に集まると、サラ王女は、アンダーソンがいる場から一旦どこかに向かって行っていなくなった。
「圭一君か、君には助けられたな。しかし君には借りがあるとは思わないで欲しい。借りを作るという事は、ご恩と奉公のような関係でないと。そうだな。暫くすると、我々のオオワシが、更なる兵士を送り出すだろう」
そのような予測を立てて、アンダーソンは、地球への赴任役を務めるのであった。
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