第12話 握手

身長175センチ、大人の風貌を思わせるその姿のサラ・サンダーは、秋原圭一にとっては意外だったかもしれない。宇宙軍側でも話のわかる人物がいると知って圭一にとっては予想外であろう。

「宇宙軍の親衛隊が私を追い出したのよ。本当に呆れるわ、お父様の腹心の謀略に嵌まるなんて下僕のくせに役立たずなんだから」

 一式有栖がサラ・サンダーを紹介すると、秋原圭一は初めましてと言って挨拶をする。握手を求める圭一であったが、サラ・サンダーは何だか奇妙な顔をして、握手に戸惑うのであった。

「あら、宇宙の銀河では握手をする習慣て無かったのかしら。それとも銀河の王女様では握手をする身分に値しないと思っているのかも」

「一式さん、それは無いですよ。こっちだって一生懸命にやっているのですから、敬意っていうものがありますよ」

「いいわ、信頼関係の証明って訳ね。それなら握手するわ」 

一式の冗談めいた悪いやり取りをスルーして、サラ・サンダーは、握手をするのである。意外と柔らかい手をしており、感触がすべすべであったのを感じ取る圭一であったが、それに対し不信感をサラ・サンダーは抱かなかったようだ。

「じゃあ、詳しい話を秋原君に聞かせてやって頂戴。ここでありのままのリアルを言ってもらえないかしら」

「いいわ、今回は特別だからね」

 

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