第339話
久々に喘息フィーバー祭りが開催してしまいダウンしてました……
お待たせしました。
ブルァァァァ!!
キッシャァァァァー！
キュゥゥゥゥ!!
ワォーーー!!
フォォォォー!!
次々とラグナへと襲いかかる様々な魔物達。
見たことがある魔物から未知の魔物まで。
ラグナは魔力障壁に身を包み、魔道具による高速移動で無理矢理振り切っていく。
グパァァ!?
たまに目の前に飛び出してきた事による不幸な事故も起きてしまうが……
迫り来る魔物達を振り切りガッデスまであと少しという所で突如目の前の地面から石で出来た人型の魔物が出現した。
「これはゴーレムって奴か!?」
前世の時に遊んでたゲームに出て来た定番のモンスター。
ラグナは高速移動をしている勢いそのままに前面の魔力障壁を強化してそのまま突っ込む。
対してゴーレムは腕を前に構えてラグナを受け止めようとする。
ドンッ！！
激しい衝突音。
凄まじい衝撃が辺りに広がる。
地面がえぐれ、衝突の凄さを物語っていた。
「チッ！！流石に重い!!」
ゴーレムに止められてしまった悔しさもあるが、どこかワクワクしてしまう自分もいた。
何せ自分が遊んでいたゲームそっくりのモンスター(魔物)が目の前にいるのだから。
ただし、ゲームと違ってやり直しなんてきかない現実だが。
「それならこれでどうだ！」
激しくゴウゴウと音を立てて燃え盛る炎の剣。
ラグナはいつも以上に魔力を込めると炎はオレンジ色から鮮やかな青色へ。
激しく燃え上がる炎の剣をゴーレム目掛けて振り下ろす。
「くらえぇぇぇ!!」
ゴーレムも負けじと腕をクロスし、ラグナの攻撃を受け止めようと動く。
ガキン！！
そんな金属同士が激しくぶつかった音が響く。
ジーンと痺れる腕の痛みに襲われつつも、ラグナは慌てて後ろに飛ぶ。
先ほどまでラグナが立っていた場所にはゴーレムからの拳が繰り出されていた。
「あ、危なかったぁ……あんなの喰らったら一撃で死んでるぞ……」
ガキン！ガキン！！
鈍い音が響き続けてる。
「マジで硬い！硬すぎるだろ！！」
撃ち込む度に手が痺れるほどの衝撃に襲われる。
ラグナとゴーレムの戦いは激しさを増していた。
強烈な一撃を繰り出すゴーレムだがラグナはその攻撃をことごとく回避している。
「このままじゃ不味いな……」
ガストーチソードでは相性が悪すぎる。
ラグナはホバーシューズに一気に魔力を流すと空高く自身を吹き飛ばす。
そして、
「「燃やせ、燃やせ、燃やし尽くせ！エクスプロージョン！！」
自身が持つ最大火力である爆炎魔法を発動させるとゴーレムへ向けて放つ。
ドガァァァァン!!
凄まじい熱波と爆音が広がる。
発生した爆炎と煙によって周囲が一時的に見えなくなる。
「……まじかよ。」
徐々に煙が晴れていくと、そこには何事もなかったかの様な様子で地面から立ち上がるゴーレムの姿があった。
ラグナはその様子に呆然としていたがすぐに立ち直ると作戦を練り直す。
「……無理に戦う必要は無いのか？」
幸いな事にゴーレムの動きは遅い。
逃げ切ろうと思えば余裕で逃げ切る事は出来るが……
「ガッデスに近すぎるか……もしもあの国に向かってしまうと困るし。」
ゴーレムを繰り出す攻撃を次々と避けていくラグナ。
手詰まり感で焦りを感じ始めた時の事だった。
「ここにも素材がいたぞぉぉぉ!!」
ゴーレムの背後からそんな声が響く。
「素材を寄越せぇぇぇ!!」
「えっ!?」
ゴーレムが後方からの声に気がつき振り向いた顔面に向けて巨大なハンマーが振り下ろされる。
ズゴォォン！！
巨大なハンマーによる攻撃で倒れ込むゴーレム。
「今じゃぁぁぁ!!」
倒れたゴーレムに向かって我先にと群がる人々。
「な、何やってるんですか、ルヴァンさん……」
驚き固まるラグナの事など一切気にせずにゴーレムの関節目掛けて次々と振り下ろされるハンマー。
ゴス！
ベキッ！
メキャッ！
倒れ込んだゴーレムが慌てて身体を起こそうとするが……
次々と関節をハンマーで破壊されてしまう。
「クサビ打ち込めぇぇぇ！！」
その号令と共に手足の付け根へとクサビが打ち込まれていく。
ゴーレムは生きたままドワーフ達の手によって解体されてしまうのだった。
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