第8話

う…ん…?


ここは何処だろう…


辺り一面真っ白。


確かキャンプ場でティータイムをしながら日の出を見ていて…


えっと… 


もしかしなくてもあの時の落雷で死んだ…?


周りを改めて見渡そうとするも動かない。


あれ?そう言えば身体の感覚が無い…


えっ…


やっぱり死んだってこと?


「気がついたかね?」


突然声が聞こえた。


そして目の前が急に眩しくなったような気がした。


「あぁ。すまない。これでどうだろうか?」


眩しさは収まったようだ。


眼もないはずなんだけどね。


それにシルエットは完全にダンディーなお爺さん。


「見た目に関しては君にあわせて見えるようにしてあるから気にしなくてもよい。」


ってことはもしかしなくても神様ってことでしょうか?


やっぱり死んでしまったんですね。


「私は君達で言う創造神(そうぞうしん)と呼ばれている存在だね。そして君には本当に申し訳ない。」


急にどうしたのでしょう?


その様な方が頭を下げないで下さい。


こちらこそなんかすみません。


頭を下げたいのですが身体の感覚が無くて…


「君は今自分がどうなっているか把握しているかい?」


たぶんタイミング的には落雷に見事ヒットして無くなったって訳ですよね?


「詳しくは落雷ではない。新たに神となった新神(しんじん)が悪意ある悪戯により君の命を奪ってしまった。間に合わなくて本当に申し訳ない。」


えっ…


そうか。


だから雲がないはずの空から落雷が落ちて来たんですね…


「この様なことを仕出かした新神は申し訳ないが此方で処置させてもらった。」


えっと…


これから俺はどうなるんでしょうか?


帰ることなんて…


「君の肉体は残念ながらすでに失われておる。しかし此方の不手際により失った訳だから元の世界では無理だが…他の世界に転生させることなら出来るがどうするかね?」


すみませんが…もしも断った場合はどうなるのでしょうか?


「その場合は輪廻の流れに戻ってもらうことになるだろう。」


その流れに戻った場合は…?


「そしたら次の転生まで輪廻を廻って待ってもらうかのぅ。まぁその場合は次に何に転生するかは分からんけれどのぅ。」


つまりは人間ではなく動物とか昆虫の可能性も?


「まぁその可能性もあるのぅ。あとは君達で言う微生物?と呼ばれている存在になる可能性もある。何になるかは完全にランダムなのだよ。」


流石に微生物は… 


御手数をおかけしますが他の世界へと転生でお願いしたいと思います。


「今回はこちらの不手際だからのぅ。転生先の世界の希望はあるかぃ?」


どの様な世界があるのでしょうか?


「しばし待て。君の思考を読ませてもらう。」


「ふむ。なるほど。とりあえずは、君達の言葉で言うとこんな感じかのぅ。」


1 君達で言う剣と魔法の世界。


2 近未来的なSFと呼ばれる世界。


3 元居た世界に限りなく近い世界。


4 まだ新しい何もない世界。


「大雑把に言うとこんな感じだのぅ。」


せっかくなら元居た様な世界以外。


何もない世界もなんか嫌だなぁ…


近未来的な世界かぁ。憧れるけど戦争で滅ぶ未来しか予想出来ない。


「まぁそうなるだろぅ。現在進行形で異星の者と衝突が起こりそうな状態じゃからなぁ。争いが無いと言う点では4しかない。」


しかし新しい世界ってことは本当に何もないんですよね?


「これから管理を任せる神を決めてそこからどうなるかはその神次第ってことになる。」


ってことは剣と魔法の世界が一番ですね。


「まぁここも争いが無いと言うわけでは無い。魔物と言う存在と魔王と呼ばれる存在がおる。その勢力と人間が争っているな。」


魔王が居るなら勇者も…?


「その様な存在が居るときもあるようだが今は居ないのぅ。どちらにせよ完全に安全と呼べる世界では無いな。」


うーん… 


決めました。剣と魔法の世界でお願いしたいと思います。

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