第7話
「それじゃあそろそろ電話切るね~。初めてのソロキャンプ楽しむんだよ!おやすみ~」
「ありがとうございます。先輩もおやすみなさい。」
結構長々と電話しちゃったな。
さて。そろそろ寝る準備でもするかぁ。
歯磨きとトイレを済ませて焚き火も消して準備完了。
このキャンプ場の欠点はシャワーとかが無いことなんだよなぁ。
近くの温泉も車で30分だし。
仕方ないので温くなったぬるま湯でタオルを濡らしてテント内で身体を拭いて着替え完了。
明日はどうしようかなぁ。
とりあえずは熊肉チャレンジだな。
味に対しては不安しかないけど。
予定としては、日の出前に起きて朝は寒いから焚き火。
日の出を紅茶を飲みながら優雅に寛ぐ。
それで朝食は早めに食べて昼前には撤収完了だな。
それじゃあアラームセットして寝るかぁ。
おやすみなさい。
???
「あの方は本当に怒りっぽい。少しくらい遊んだっていいじゃないか。どうせほっといてもすぐにあいつ等は増えるんだから。もうやるなって言われてもねぇ。もう仕込んじゃった分については仕方ないよねぇ~?それじゃあ大人しく見て楽しんでいくとするかぁ。楽しみだなぁ!」
スマホのアラームで目が覚めた。
現在の時刻は5時15分。
あと30分もしないで日の出だなぁ。
とりあえずは火起こし。
流石にこの季節の朝は寒い。
焚き火で暖をとらないとキツいな。
マッチで簡単火起こしをしてお湯を沸かす。
とりあえずあれだ。
目覚の一杯はレモンティーにしよう。
椅子に座り富士山の方を見ながらティータイム。
あったけぇ。暖かい紅茶が身体にしみるわ。
そろそろ日の出の時間。
うっすらと富士山の背景が明るくなってきた。
日の出まであと少し。
ゴロゴロ。
ん?なんか雷の音が聞こえるな。
上を見る。
薄暗くてよく見えないけど雲は無い。
気のせいか。
もう少し。 あとちょっと。
富士山から太陽が出てきた。
日の出だぁぁ!
直後。
ドーーーン
身体に何かが落ちた感触。
雲は無かったハズなのに…
そんなバカな。雷が急に落ちてくるなんて…
そして意識が暗転していくのだった。
???
「よっしゃぁぁ!当たったぁぁぁ!どうよこれ!日の出と共に雷撃プレゼント。わざわざ力を使って人間が来るように誘き出して。日の出を見たくなるように暗示をかける。そして日の出が見えた瞬間に雷撃プレゼントで絶望のまま葬り去る。この瞬間がたまらないな!」
「何がたまらないんだ?」
「それはもう。わざわざノコノコと罠に引っかかって命を落とす間抜けさがたまらない!………えっ?」
後ろを振り返る。
「あれだけこの様なことに力を使うなと言ったのに全く聞かなかったな。」
「違う!違います!あれは注意される前に使った力です!注意されてからは使ってません!」
「人間に危害を加える前に消すことも出来ただろう。やはりおぬしでは駄目なようだな…」
「違います!心は入れ替えました!あれは消すのを忘れていただけです!」
「もう良い。お主にはがっかりした。無駄に力を得たばっかりに助長しよって…さらばだ。」
「たかが虫けらを処分しただけじゃないか!何がいけないんだ『創造神』!」
創造神と呼ばれた者が目の前にいる者に対して手をかざす。
「さらばだ。消えよ。」
「そんなバカな。こんなとこで終わっていい俺ではない!」
そう喚き散らしながら身体が崩壊していく様を創造神と呼ばれた者は冷めた眼で見つめていくのであった。
「最近はこの様な輩が増えてばかりだ…」
そう言いながら先ほどくだらない悪戯により命が奪われた青年の魂を回収した。
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