第2話
キャンプ動画に影響されてからの就活。
熱意だけはもの凄かったね。
6社中、4社から面接に来ないかとありがたく返事を貰って浮かれた自分。
改めて、各社のメーカーのことを調べたりして準備は万端。
そこから面接でどれだけ働きたいか。御社の何が好きか。もしも入社したら何がしたいか。
それはもう熱意も熱意で話をし過ぎてしまった。
結果…
全戦全敗。
ちょっとやり過ぎてしまったようだ。
父からはまだ時間は有るんだからゆっくり考えればいいよとのありがたい言葉。
母はもう就活に関してはなにも言わなくなった。
その他でだいぶ当たりが強くなっているけどね。
妹はもうね…
就活失敗の寄生虫やるくらいなら野山で暮らせば?などとありがたいお言葉。
次の就活先を探していると、以前受けた4社のうちの1社の面接官の方から連絡が来た。
「君のキャンプ用品に対する熱意は本物だったよ。本当ならうちで働いてもらいたいんだけど。でも君の能力はウチみたいな製造メーカーじゃなくて販売店の方が確実に生かせると思う。もしよければウチの取引先の会社の面接受けてみないか?話は通してあるから考えてみてくれ。」
なんて嬉しい提案なんだろう。
それはもう…即飛びついたよ。
そして面接。
熱くなるな。クールだ。クールに行こうぜ。
ずっと自己暗示しながら面接を受けていたが…
だんだんと熱が入ってきてしまい…
面接官とヒートアップしてる自分。
なんでこうなった!?
「君ってあれだね。製造メーカーには向いてないよ。製造メーカーだとやっぱり得意、不得意ってのは多少あるから君に取っては足枷になるだろうしね。」
「すみません。あつくなり過ぎてしまいました。」
またやり過ぎてしまったようだ。
どうするかなぁ。また1から探すのやり直しかぁ…
「ん?大丈夫だよ。君の熱意は本気だって伝わったから。こんだけいろんな製品を熱く語れるならウチみたいな販売の方が絶対向いてるよ?いろんなメーカーの製品に触れられるし。来年からよろしく、翔弥君。」
えっ…
落ちたと思っていたので固まってしまった自分。
「まさか落ちたと思った?元々は紹介されたからとりあえずって感じだったんだけどね。でも君のことは気に入ったよ。合格。社長の俺が言うんだから間違いないよ。」
「へっ?社長?ホームページで拝見した名前と違うのですが…」
「あぁ。この机の名前か。これは本来の面接担当の名前だけど今回は借りてみたよ。そりゃそうでしょ。まさかウチで雇ってもらえないか?なんてメーカーから直接連絡くるなんてほとんど聞いたこと無いし。それで気になったから面接担当やってみたんだけどね。気に入ったよ。これからよろしくね」
「あっ…ありがとうございます!精一杯頑張ります!」
就職先決まったー!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます