こうして自分から誘うのは、あまり慣れていない。

 パーティーなんかロクに組んだことないし、人に合わせるのはあまり得意ではない。

 でも、これで女の子を一人にしておくのも気がひける。

「そ、そうですね。私、レベルが低いですし、パーティーを組んでくださる方がいません……」

「そうか。他にも質問していいかな?」

 俺がそう訊いてみるとリーシャは縦に小さく頷く。

「意外と聞きにくいんだが……。リーシャのレベルはどれくらいなんだ?」

「あ、はい。そうですね。レベル53といったと所ですかね。私もレベルはそこそこ上なのですが、人の助けとか、弱いモンスターを倒したりして、レベルを上げたくらいです」

 なるほど、雑魚を何体も倒せば、レベルはそこまで上がらないが数はこなせるというわけか。

 事情はなんとなく分かったところで安心ができる。

 それにしてもレベルが53なら、なんとか、暗殺者【アサシン】としてはそこそこ使えるだろう。

 女の子だからと言って、暗殺者【アサシン】をなめてはいけない。

「だったら俺とパーティーを組まないか? 俺はレベル86だし、大丈夫だろう……」

「え? いいんですか? で、でも……ご迷惑じゃ……。私、あまり役に立てないかもしれませんよ」

「大丈夫だ。戦い方は俺が一から教えるし、そのレベルだったらすぐに戦闘でもなんとかなるだろう」

「あ、ありがとうございます!」

 俺の知識で何とかこのMOBから何とかして脱出するには情報だ。その情報が少ない分、今は、リスクを背負わない方がいい。

 つまり、ここで、一人でつまずくよりかは一つずつ課題をクリアさせる方が先決である。

 それに暗殺者【アサシン】なら密偵、護衛などで問題はなさそうだ。

 リーシャとパーティーを組み、新たに俺のステータスにはリーシャの情報が表示される。

 ま、これでひと段落と言ったところか……。

 それからっと……。

「よし、じゃあ、今からリーシャの実力が見たいんだが見せてもらってもいいか?」

「りょ、了解です! も、問題ありません! よろしくお願いいたします!」

「お、おう……」

「どういったモンスターを倒せばいいのですか?」

「じゃあ、今近くにいるモンスターを倒してもらおうか」

 俺は、とりあえず彼女の実力を見たく、近くのモンスターが潜んでいることに気が付いている。

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