第3話 リーシャ登場
Ⅰ
「ふぅ……た、助かりました……」
装備は身軽にするために軽量化されており、あまり武装されていない。髪を一つまとめにした黒髪は腰のあたりまで伸びている。
背中には立派な短剣を携えているが、今は正座して座り込んでいた。どこからどう見ても暗殺者【アサシン】の格好である。
「こんな草原で人がいるなんて奇跡に等しいくらいです」
「まぁ、それくらいはいいんだけどさぁ……。なんであんな所にいたわけ?」
「そうです。私はMOBをしていたはずなのですが、突然、ログアウトが出来なくなったのです!」
「君もそうだったのか!」
俺はそれを聞いて、驚きはしたがその半分、そうだろうな、と思った。
「あ、申し遅れました。私、この世界ではリーシャと言います。よろしくお願いします」
「俺はロイだ。よろしく……」
リーシャの格好からして、暗殺者【アサシン】隠密行動を得意とする。
でも、性格からしてあまり向いてなさそうな感じがする。
その反面彼女の見た目からして、回復師【ヒーラー】の方がいいのではないかと思ったほどである。
美少女ではあるが、そこが勿体ない。
さすがにここに一人にしておくのはあまりにも悲惨すぎるだろう。
おそらく、この見た目からして、俺よりも年下と感じる。
俺の魔術師・剣士の方が攻撃力は上だが、スピードはどうなのかが少し気になる。
「本当に先ほどはありがとうございます。冷静さを失っていました。私は暗殺者【アサシン】です」
「そうだろうな。見た目でなんとなくわかる」
さて、これをどうするかが問題だ。俺は彼女にどう接すればいいのだろうか。
パーティーを組むのがいいが、レベルを聞くのも失礼である。
女の子に羅打のサイズを聞くのと一緒だ。
で、でもこれを聞かずにして、先に進めはしない。
「これからはどうするんだ?」
「そ、そうですね……。私もソロで活動していますし、行く当てがないんです」
「パーティーとかは組んでいないのか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます