第3話  リーシャ登場

「ふぅ……た、助かりました……」

 装備は身軽にするために軽量化されており、あまり武装されていない。髪を一つまとめにした黒髪は腰のあたりまで伸びている。

 背中には立派な短剣を携えているが、今は正座して座り込んでいた。どこからどう見ても暗殺者【アサシン】の格好である。

「こんな草原で人がいるなんて奇跡に等しいくらいです」

「まぁ、それくらいはいいんだけどさぁ……。なんであんな所にいたわけ?」

「そうです。私はMOBをしていたはずなのですが、突然、ログアウトが出来なくなったのです!」

「君もそうだったのか!」

 俺はそれを聞いて、驚きはしたがその半分、そうだろうな、と思った。

「あ、申し遅れました。私、この世界ではリーシャと言います。よろしくお願いします」

「俺はロイだ。よろしく……」

 リーシャの格好からして、暗殺者【アサシン】隠密行動を得意とする。

 でも、性格からしてあまり向いてなさそうな感じがする。

 その反面彼女の見た目からして、回復師【ヒーラー】の方がいいのではないかと思ったほどである。

 美少女ではあるが、そこが勿体ない。

 さすがにここに一人にしておくのはあまりにも悲惨すぎるだろう。

 おそらく、この見た目からして、俺よりも年下と感じる。

 俺の魔術師・剣士の方が攻撃力は上だが、スピードはどうなのかが少し気になる。

「本当に先ほどはありがとうございます。冷静さを失っていました。私は暗殺者【アサシン】です」

「そうだろうな。見た目でなんとなくわかる」

 さて、これをどうするかが問題だ。俺は彼女にどう接すればいいのだろうか。

 パーティーを組むのがいいが、レベルを聞くのも失礼である。

 女の子に羅打のサイズを聞くのと一緒だ。

 で、でもこれを聞かずにして、先に進めはしない。

「これからはどうするんだ?」

「そ、そうですね……。私もソロで活動していますし、行く当てがないんです」

「パーティーとかは組んでいないのか?」

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