第2話 本当のMOBの世界
Ⅰ
「何だったんだ? 今のは……」
突如現れた光から解放された俺はまだ目を開けられずにいる。
さすがに今の光は驚いたな。こんなの今までなかったぞ……。
本当にMOBの正式サーバーへと移行したのだろうか?
「……ったく、一体ここはどこなんだよ」
まだ、自分が立っているのがどこなのかもわからない。
でも、冷たい風を感じる。位階が回復するまでまだ、時間がかかるだろうと思った。
俺の足元には、地面の感触がある。
大丈夫。今は、地面があるってことは、何もない空間ではないという事だ。
それにしても目が痛いな……。
「あ……ようやく視界が、見えるようになったか……」
目の痛さに耐えきれなかった瞼がようやく開く。うると、ぼんやりとしているが、さっきまでいた所とは違う場所にいた。
あれ? さっきまで、俺は近くの森にいたはずなんだが……。
見渡す限り、草原が広がっていた。
一体何が起きているんだ? そうだ、ログアウトしないと、明日は学校がある。
俺は、冷静になってステータス表示の画面を出す。
……うそだろ。ログアウト、表記がないじゃねぇか……。
画面の下に出てくるはずのログアウトの表示が出ていない。
……一体どうなっているんだ? 確かに、ここはMOBの世界は変わらない。VRMMOだ。
「どうする。これじゃあ、現実世界がどうなっているかわからねぇ」
試しに頬を抓ってみたが問題なく痛い。痛みがあるってことは、VRMMOでもあり得ることであり、これが現実であるかどうかも判断がしにくい。
正直、今にも叫びたくなる気分だが、頭の中が、パニックになっている。
知らない土地のせいか、妙に心臓の鼓動が早くなっている。
まず、俺の格好は、MOBの格好のままだ。
装備品があるだけでなんとかなっている。
とりあえずは、誰かにあうことが先決だ。
ここは草原の中、誰かに会うのは、確率的に低い。メッセージ機能もいつの間にか表示されていない。
その代わり、連絡用の通話機能が追加されている。
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