第2話  本当のMOBの世界

「何だったんだ? 今のは……」

 突如現れた光から解放された俺はまだ目を開けられずにいる。

 さすがに今の光は驚いたな。こんなの今までなかったぞ……。

 本当にMOBの正式サーバーへと移行したのだろうか?

「……ったく、一体ここはどこなんだよ」

 まだ、自分が立っているのがどこなのかもわからない。

 でも、冷たい風を感じる。位階が回復するまでまだ、時間がかかるだろうと思った。

 俺の足元には、地面の感触がある。

 大丈夫。今は、地面があるってことは、何もない空間ではないという事だ。

 それにしても目が痛いな……。

「あ……ようやく視界が、見えるようになったか……」

 目の痛さに耐えきれなかった瞼がようやく開く。うると、ぼんやりとしているが、さっきまでいた所とは違う場所にいた。

 あれ? さっきまで、俺は近くの森にいたはずなんだが……。

 見渡す限り、草原が広がっていた。

 一体何が起きているんだ? そうだ、ログアウトしないと、明日は学校がある。

 俺は、冷静になってステータス表示の画面を出す。

 ……うそだろ。ログアウト、表記がないじゃねぇか……。

 画面の下に出てくるはずのログアウトの表示が出ていない。

 ……一体どうなっているんだ? 確かに、ここはMOBの世界は変わらない。VRMMOだ。

「どうする。これじゃあ、現実世界がどうなっているかわからねぇ」

 試しに頬を抓ってみたが問題なく痛い。痛みがあるってことは、VRMMOでもあり得ることであり、これが現実であるかどうかも判断がしにくい。

 正直、今にも叫びたくなる気分だが、頭の中が、パニックになっている。

 知らない土地のせいか、妙に心臓の鼓動が早くなっている。

 まず、俺の格好は、MOBの格好のままだ。

 装備品があるだけでなんとかなっている。

 とりあえずは、誰かにあうことが先決だ。

 ここは草原の中、誰かに会うのは、確率的に低い。メッセージ機能もいつの間にか表示されていない。

 その代わり、連絡用の通話機能が追加されている。

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