第14話
クッションがドアを開けて教室に入ってきた。
「あやめちゃんの描いてくれた、わたしの絵を見に来たわよ~」って言って、9連作の絵を見てくれた。
「きゃああ、めっちゃきれいに描いてるね~。やっぱり、あやめちゃんの描く絵、上手だわ!」
横に並べてある、香絵ちゃんの描いたボクの絵も見て、
「うわ~めっちゃあやめちゃんらしいわ~まさに、あやめちゃんそのまんまね~」って言って、笑って、うけていた。
「わたしのことを想ってる、あやめちゃんってとこかな~。わたしとあやめちゃん、絵で、ひとつながりに、つながってるね!」って言った。
「そうでしょ!やっぱり、そう思う?」ってクッションに返した。
「あやめちゃんと香絵ちゃんの絵は、つながってるね!絵で、つながってるのね!2人は...」って言って、
「じゃあね~バイバ~イ。こんな素敵なわたしの絵を描いてくれて、どうもありがとう~さようなら~」って、ボクと香絵ちゃんのことをチラッと見て教室を出て行った。
「見に来てくれて、ありがとう~」ってクッションに声をかけた。
そのあと、美術部の展示教室で、美術の本をパラパラと見ていたら、カバネルさんの「ヴィーナス誕生」の絵が出てきた。
「この絵、パリの小学生の時に、好きな女の子といっしょに、よくオルセー美術館に行って、見てたんだよ~」って言って、香絵ちゃんに見せた。
「きゃああ、可愛い絵!」って香絵ちゃんも喜んでいた。
「わたしも、この絵のヴィーナスさんみたい?」って香絵ちゃんに聞かれて、
「この絵のモデル、香絵ちゃんでしょ~」って答えたら、
「じゃあ、あやめちゃんは、この天使たちねっ!」って言ってた。
そういえば、パリのイレーヌちゃん、どうしてるかなあ~っ、パリで高校生やってるのかな~って思ってたら、
数日後に、イレーヌちゃんがボクに会いに、パリから1人でやって来た。
「ボンジュール!こんにちは~!久しぶり~!めっちゃ会いたかったよ~!待っててくれてた~?」
「うわ~!イレーヌちゃん、めっちゃ久しぶり!会いたかったよ~!いつもイレーヌちゃんのことばっかり想ってたよ~!」
イレーヌちゃんは、日本のこと大好きすぎて、日本の本当の女子高生になりたくて、パパとママを説得して、大阪にやって来た。
ボクと同じ高校の転入試験に合格して、同じ高校に通えることになった。しかも、めっちゃ嬉しいことに、なんとなんと、ボクの家でいっしょに暮らしていけることにもなった!
イレーヌちゃんも美術がめっちゃ好きなので、高校で同じ美術部に入った。イレーヌちゃんも毎日、放課後、美術室でいっしょに絵を描きはじめた。
高校でもイレーヌちゃん、めっちゃ人気者になった。日本のアニメも大好きで、コスプレも大好きだから、日本の高校生とも、めちゃめちゃ気が合っている。
イレーヌちゃんは水泳も好きなので、水泳部にも入った。どちらかというと、水泳部のほうによく行っていて、たまに美術部のほうにも顔を出して、いっしょに絵を描いているような感じだ。イレーヌちゃんは水泳部でクッションといっしょに泳いで競いあっている。
イレーヌちゃんの水着姿も可愛い。
家では、日曜日とかに、イレーヌちゃんにモデルになってもらって、イレーヌちゃんの絵をよく描いている。イレーヌちゃんに競泳水着姿になってもらって、その絵をいっぱい描いている。
イレーヌちゃんを関西の色んな場所に案内した。
太陽の塔の中にもいっしょに入って、万博記念公園にある民俗学博物館にも入った。イレーヌちゃんも、世界中の民俗学的展示物に、めっちゃ感動していた。こんな凄い民俗学博物館、なかなか他にはないよね~って言ってた。
イレーヌちゃんは1人でも、よく大阪でやっているアニメとかのコスプレイベントに参加している。そこでも、めっちゃ人気者になってるみたいだ。
イレーヌちゃんは、日本の色んな文化のことを好きだけど、何より大阪っていう街があるから、日本のこと好きなのかなあ~って言っている。もちろん北海道から沖縄まで、色んな街があるから日本も良いんだけど、もしも大阪っていう街がなかったら、こんなにも日本のこと、好きになってなかったかもしれないなあ~って言っている。大阪っていう街は世界中で大阪だけだから、それで大阪のこと好きだし、日本のこと好きなのかもなあ~って言っている。大阪の言葉も好きみたいだ。イントネーションとか、なめらかで可愛くて好きだと言っている。フランス語も良いけど、大阪弁の、可愛らしい言葉の発音とか、しゃべり方とか、めっちゃ好きだと言っている。
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