第9話
美術部の活動を終えて、香絵ちゃんと美術室で2人きりになった。帰ろうと思って、美術室の片付けをしていたら、香絵ちゃんに、いきなりキスされてしまった。
「わたし、あやめちゃんみたいな、女の子っぽい子、大好きなのっ!女の子みたいな、あやめちゃんのこと大好きっ!」って告られた。「同じ美術好きどうしなところも、趣味合ってて、もう、あやめちゃん以上に好きな人、宇宙にいないよーっ!」って言って抱きしめられた。
「でも、ボク、クッションと、付き合ってるんだ...」
「知ってる...でも、いいの...あやめちゃんと、女の子どうしの友達みたいな感じで、いいから...ずっと友達でいてくれる?」
「うん!ボクも香絵ちゃん好き!香絵ちゃんの描く、可愛い絵も大好き!これからも、ずっと友達でいてねっ!」
香絵ちゃんに、ぎゅーっと抱きしめられ、くちびるにチュッ、チュッって何回もキスされてしまった。
それから、香絵ちゃんといっしょに帰りながら、途中に、草木や花のいっぱい生い茂った、ちょっとした森のような場所を通って、2人で木陰に行って、また、抱きあってキスした。しばらく、じっと、2人で抱きあったまま、ずーっとキスしていた。
「あやめちゃんとのキス大好き!女の子どうしのキスみたいな感じもしてきて、可愛い感じで...」香絵ちゃんのほうから、ギュッと抱きしめられ、ずっと、くちびるにキスされてしまっていた。
それから、近くにある伊勢寺に2人で行ってみた。手をつないで仲良く歩いていたら、快晴だったのに、急に、サーッと、めっちゃ細かくて気持ち良い雨が降ってきたかと思ったら、すぐピタッと、やんだ。風は吹いてなかったのに、草木がサワサワと音をたてて、左右に揺れ始めた。草木の動きが、何だか、めっちゃ嬉しそうな、何か、めっちゃ歓迎してくれてるような、そんな感じだった。
そして、2羽のちっちゃな可愛い鳥が、2人の足元に飛んできて、しばらく、いっしょに歩いていた。
そのあと、草むらから、丸く可愛らしいボールがコロコロと、2人の足元に転がってきた。香絵ちゃんは、そのボールを拾い上げて、「はいっ!お返ししますね!」って言いながら、草むらのほうに優しく投げ返していた。平安時代のボールのような、めっちゃ歴史のありそうな感じのする、丸くて可愛い手毬だった。
伊勢さんの句の彫られた石碑を見に行って、そこで2人でキスした。なんだか、めっちゃ自然に感じられるキスだった。平安時代にいるような気持ちになってきた。
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