第6話

修学旅行で岐阜と長野方面に行った。バスの中から、くねくねと進みながら、雄大な山々の景色を見ていた。善光寺に着いて、ケーキちゃんとタカツンといっしょに、緑の草木の生い茂る参道を散歩した。鬼押出し園っていう、変わった地形のところにも行ったわよ。


ボクは、中3ていうめっちゃ微妙な時期に、沖縄から大阪に転校して来て、それで私立も府立も高校合格したんやから、めっちゃ偉い!

ケーキちゃんとタカツンも2人とも、ボクと同じ府立高校にそろって合格した。高校の近くに伊勢寺があるから、もしかして伊勢さんの御導きで、3人そろって、この高校に来たのかなあと思えたわ。


高校生になって自分の部屋で古文を読んでいると、自分の近くで、作者が見てて「ああ、自分の書いたの読んでくれてはる」って思ってる感じしてくるから不思議ね。ほんまに読んでる自分のことを見てはるんやろかって思っちゃうわ。自分からは見えないけど、そんな感じはしてくるの。自分の勉強部屋の霊は、そういう美術や古文や何か それに関係してる霊なのかなあと思ってる。めっちゃ強い霊の存在は感じてて、毎晩、自分に対して、芸術にもっともっと宇宙へと広がるような広く無限の心を持つようにと、そういうことをどうも伝えてはるように感じるのよね!


高校では美術部に入って、授業も美術や体育がいちばん好き。美術の時間に初めて油彩画をやって、油絵の具でキャンバスに塗り重ねていく面白さに、はまっているわ。大学も美術に進学しようかなと思ってるの。部屋でも高校の勉強しながら絵をめっちゃよく描いているわ。凄く上手く描けるの。

同じ美術部の香絵ちゃんと仲良くなったわ。


高校生になっても自分は女子みたいなの。でも高校でもみんな自分のことを女子のように思って接してくれるから嬉しい。まわりの先生方や友達みんな、ボクは女の子なんだってことを認識していてくれて、体育の着替えや、洗面所などを利用するのも、ボクは女子のほうで良いっていうふうに、学校側で最初から設定してくれたの。この高校に来てほんとに良かったと思える。


高校で同じクラスの水泳部女子のクッションちゃんとめっちゃ仲良くなって、相思相愛、両想いになっちゃった。


美海ちゃんは大阪で、アイドルになっているわ。大阪で活動するのが好きらしいの。大阪のアイドルグループ「ネコふんでも~た?」のメンバーとして、歌にダンスに芝居に映像にと、いろいろ活躍し始めているわ。アイドルやってるうちは、美海ちゃんとも、個人的には付き合えなくなってしまったわ。でも、美海ちゃんは自分の道を進んで行ってるから、これからも、ますます活躍していくことを願って、応援しているの!

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