第4話

美海ちゃんも学校とかでも、ほっぺに、よくチュッてしてくれるわ。海やプールに行って、いっしょに泳いでてもチュッてしてくれているの。

中学でも、ボクのこと、みんな女子だと思ってくれていて、体育の着替えも女子といっしょにやってるし、体操服も女子用のを着てるわ。女子の友達ばっかりで、いつも女子といっしょにいて、女子としゃべってて、女子といっしょに行動しているわ。

中学に行ったら、まず美海ちゃんとか、仲の良い女子の友達のところに行って、女子のみんなとしゃべって、女子のみんなと遊んだりしている。

担任の先生も、めっちゃ良い先生で、ボクの女の子みたいな性格を本当によくわかってくれていて、ボクは女子の友達といつもいっしょにいたほうが良いんだってことを理解してくれているから嬉しい。


夏休みに美音ちゃんは、松山から那覇に遊びに来てくれたわ。美音ちゃんは沖縄の着物に、めっちゃ興味を持っていた。紅型っていう、沖縄県独特な着物。そして素材にも。藍染にも。沖縄の伝統工芸品などを、ボクといっしょに、色々見てまわった。沖縄の人は、沖縄の伝統工芸について優しく教えてくれる。

沖縄の伝統工芸品にめっちゃ興味を持っている美音ちゃんを、沖縄女子の美海ちゃんに紹介したわ。美音ちゃんは、美海ちゃんに沖縄についての色んなことを質問していて、美海ちゃんは、それに対してめっちゃ丁寧に答えていたわ。沖縄の着物と、その素材について、かなり研究できたみたいで、夏休みの自由研究として提出するって言ってる。

美音ちゃんは沖縄での充実した夏休みを送れたみたいで、美海ちゃんにもお礼を言って、喜んで、また松山の中学に、新学期のために帰って行ったよ。



中3になったら、大阪の中学に転校することになったわ。ボク的には那覇で工芸科のある高校に進学して伝統工芸を学んで、それから芸術大学に行くのも良いなあと思ってたんだけど。

那覇の中学の最後の日に、担任の先生が、みんなの自分への寄せ書きを書いた色紙を渡してくれて、美海ちゃんの『あーっ!今ちょっと反抗したなーっ!憎たらしい!うっそっさーっ!』っていう言葉に面白くて、めっちゃ笑えたんだけど、その子と離れてしまうと思うとちょっと泣けてきた...

美海ちゃんは、那覇空港まで見送りに来てくれた。

「あたし、アイドルになりたいーっ!大阪があたしはいちばん好きな街だから、大阪でアイドルになるからねーっ!」って言って、ずーっと手をふってくれてた。ボクは飛行機に乗り込んで、大阪に向かった。空から見る沖縄の景色は、めちゃめちゃきれいだったわ。


大阪の中学は、女子みんな優しかった。大阪に来るまで、よく大阪のおばちゃんのこと(アメちゃんをくれたりだとか)は聞いてはいたけど、たぶん大阪の女子の優しさみたいなものが大阪のおばちゃんに、つながってるんやろなあと自然に感じられた。大阪の女子はみな気軽に話しかけてくるし、こっちも自分のオリジナルな面白ネタを言うと嬉しそうに笑ってくれる。笑って笑かされるの、めっちゃ好きそうやし、めっちゃ嬉しそう。大阪の女子。


部屋では可愛い下着を集めてて、たんすの引出しの中に、沖縄から持って来たものも含めて、いっぱい集まったわ。

絵を描くのが好きで、部屋では高校受験の勉強しながら、ノートにいつも絵を描いてるの。


中学でケーキちゃんていう可愛い女子と特に仲良くなっちゃったわ。自分が可愛いグッズ好きやから、ケーキちゃんが可愛いタオルやエチケットブラシとか学校に持って来て、自分にくれるの。ケーキちゃんにはタカツンていう親友がいるんだけど。タカツンがいつもボクに「ケーキちゃん以外に浮気したらあかんよ!」的にボクのことを見てるわ。「タカツンなら良いけどなぁ~~」って思ったら、タカツンも、ちょっと赤くなって、まんざらでもない感じで照れてるみたいに思えたの。「え~、そうなんや!」って思ったわ。2人から好きに思われてて、めっちゃ嬉しかったのよね。


私立高校ならボクは女子高に行きたかったんだけど、さすがに、そういうわけにもいかへんかったのよね~。

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