第1話 猫はなんでも「知っています」

「わたくしは知っています」     

     

       和響様作 「秘事は睫」より


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 猫の「福」ちゃんは10年前から「小林さん」のお宅のでのんびり生きています。

「ママさん」が大好きで、家族みんなが大好きな「福」ちゃん。

「福」ちゃんの独特の口調での打ち明け話は、時に優しく、時に悲しく、時に笑わせてくれます。

読み手の心をゆっくりほぐしてくれるような文章とも相まって、いつもと違った角度から物事を見せてくれる気がします。


連載なのですが、そのなかでも一番お勧めしたいのが「わたくしは知っています」。


「福」ちゃんの瞳には、生きている人も、亡くなった人も等しく映っているようです。

「ママさん」が嘆く向こう側で、「ママさん」が惜しむ人が「ママさん」を励ましている。

そして、「知って」いるけれど、「知って」いるだけの「福」ちゃん。

けれど「福」ちゃんが「知って」いることが救いに思えるのです。


「福」ちゃんの猫特有な微妙な距離感と「福」ちゃんの家族へのあたたかい眼差しで紡がれる、とても素敵な空間です。

皆さんも「福」ちゃんの内緒話しを聞いてみませんか?



和響様作

「秘事は睫」より

「わたくしは知っています」

https://kakuyomu.jp/works/16816927859071022277/episodes/16816927859077053131

続編もあります。

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