第2話 未来技術

 新しい世界に来てから3日たった。ICT企業の仕事に追われながら、過ごしていた。最初から覚えなければならなく大変で、前の世界に戻りたくもなった。でも、そんなことを願っても、もう戻ることはできない。

「最後に母や父にはさようならを言いたかったなぁ」

 俺は小さくつぶやいた。

 その時、仕事場の扉が横へとスライドし、レトロがオフィスに入ってきた。

「おはよう!」

 元気な声で挨拶をし、とても笑顔だった。出社したときにこんな顔ができるなんて、俺には当然無理だ。それほど、2335年は楽しいのか,,,。

「なあ、セトラフ。」

 レトロが俺に言ってきた。

「どうしたんだい。」

「最近お前の目死んでるけど、大丈夫か?」

 どうやら、俺は疲れているそうだ。自分では分からないもんだ。

「そうかなぁ?」

「今日の夜、町でも観光するか?」

 意外な答えだった。でもそう思えば住んでいる町を全然知らないし、一息つくのにいいかもしれない。

「おけ」

 俺はその一言を放ち、また仕事に取り掛かった。

 前のセトラフはどんな人だったんだろ。改めて思う。なぜセトラフに転生したのか、前のセトラフはどうなったのか。疑問だらけだ。

 そして、仕事が終わり。レトロと観光をした。なんていうか、とても気まずい。まだ3日しか会ってない人といるんだぞ。

 そういえば、レトロは俺をどう思ってるのだろうか、前のセトラフとは違う別人になって、悲しくないのだろうか。

「なあ、いきなりセトラフの性格が別人になって、切なく思わないの?」

 少し無言の状態が続き、レトロは言った。

「確かに前のセトラフとは10年間仕事付き合いしてたから、切ないけど、、、」

 なにか言いたそうにしてたが、口を閉じた。さらに気まずい状態になってしまった。俺のバカだ。気まずそうに俺は夜空を眺めた。そこには、星がきらきらと光っていた。前の世界では信じられないものだった。

「どれだけ未来はすごいんだ」

 口から漏れてしまった。

「すごいだろぉ、前のセトラフのおかげなんだよ。」

 俺は驚いた。驚いたとしか言いようがなかった。

そして、レトロは前のセトラフについて話してくれた。

セトラフは近未来化にした第一人者であり、原子力発電室や、原子力掃除機、そらとぶ車など、画期的なものを作り出したという。しかし、セトラフの会社は部下に裏切られて倒産してしまい。現在のICT企業に入ったというわけだ。まさか、セトラフがこんなにもすごい人だなんて思いもしなかった。この俺が転生してしまったのを後悔してしまう。

 その時、近くの工場から、爆発音が聞こえた。

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