凡生尽語

第42話 サブスクの弊害

　今年の年始に、毎日心掛ける目標と年間目標を１０個ずつ掲げた。

　毎日心掛けることは、ストレッチをするとか、ちゃんと肌のお手入れをするとか、健康にまつわる目標が多かった。ちょっとの時間やちょっとの意識でできることばかりだったのに、ほとんどできていなかった。

　年間目標は意外にも６個達成していた。達成できなかった目標の一つが「映画館で映画を１０作品観る」だった。達成できなかった理由は明白、テレビのサブスクのせいだ。

　映画は余裕で3０本以上観た。なんなら一日に３本観た日も何度かある。なのに、映画館で観たのはわずか４回だった。

　映画の予告を観ると、絶対に初日に観よう！と思うのに、１週間逃すともう数ヶ月待てばサブスクで観られるか、と思い始めてしまうのだ。

　ドラマも然り。昔は気に入ったドラマを楽しみに一週間待ち遠しかったりしたのに、今では次が楽しみ過ぎると、逆に全部終わってからサブスクで一気見しよう、と思ってしまう。

　サブスク会員しか見られないドラマがヒットしたりすると、もう会員になるしかない。我が家も、それぞれが違うサブスクに入っているから、完全に見放題だ。

　地上波のテレビがつまらないと言われ始めたのは、YouTubeやサブスクのせいなのか、コンプラを気にし過ぎたせいなのかは分からない。

　サブスクの弊害を嘆きつつ、つまらないと言いながら大晦日だからというだけで、生で見てしまう紅白歌合戦の威力の謎。

　日本人だもの、てか。