第40話 長女の謎のアレルギー 原因解明?
ある日突然、長女の顔がパンパンに腫れて入院した。検査しても何も出ず、謎のアレルギーという診断のまま症状は消え、原因不明のままで退院となった。
今後、何に気を付けたらいいのか分からないから、原因不明というのが一番怖い。
何度もその日口にした物を思い出すが、思い当たる節がない。顔が腫れた日、帰宅時に蕎麦茶を飲んでいたので蕎麦も疑ったが、アレルギー検査でも蕎麦は大丈夫だった。腫れは首から上だけで、身体には何も出なかったのも不思議だ。
他に怪しいのは化粧品。使い古しのパフは大腸菌とかがすごいらしい。長女の化粧品もだいぶ使い込まれて清潔とは言い難かった。
掃除をしている時に、ふと小さな白い粒を見つけて閃いた。もしかして…。顔が腫れる前日の夜を思い返した。
疲れて帰って来て飲んでいた長女が、ほろ酔い状態で鼻毛ワックスで鼻毛処理していた。白い粒はそのワックスの素で、電子レンジで溶かして棒を差し、それを鼻に挿して鼻毛ごと引き抜くのだ。
毎日仕事が忙しく疲れていて免疫力が落ちている時に、アルコールで血流も良く、百均の安い怪しい物質が繊細な毛細血管を巡って入り込んだのが原因ではなかろうか。
長女に私の推理を話した。
「それかも!」
もう一度試すわけにもいかないから真相は闇の中だが、長女は誓った。鼻毛ボーボーでも二度と鼻毛は抜かないと。化粧品は清潔にすると。
入院費という高い代償を支払ったが、荒んだ生活を見直すいい機会になった。
凡生尽語 樵丘 夜音 @colocca108
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。凡生尽語の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます