小袋逸聞 -Bloody Codpiece- 深川夏眠様

【タイトル】 小袋逸聞 -Bloody Codpiece-

【作者】 深川夏眠

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894247671


 さて、今作ですが双子よりも先に言いたいことがあります。

 こちらの作品「コッドピース」を題材にしたお話です。


 コッドピースとは? と思った方は検索かけてください。なんだこれ。ってなると思います。

 私がその存在を初めて知ったのはTwitterでした。ルネサンス期の奇抜ファッションとしてネタ画像として回ってきたわけです。初めて見た瞬間のなにこれ感。現代でもよく分からないものが流行ったりしますが、それは昔から変わらなかったのだな、人間って成長しないな。と謎な気持ちになりました。


 そんな話は置いておいて、そろそろ双子に話を戻します。

 今作の双子は異性双子。そして性別逆転です。大事なことなのでもう一回いいます、性別逆転です!


 最初の印象はコメディなのかな? でした。

 双子の性別をわざわざ逆にし、男の子を女の子として、女の子を男の子として育てている様子が彼らに仕える使用人の視点で描かれています。


 そんなことをしていたら当然無理が生じます。いくら双子といえ性別が違えば体の成長も違いますから、成長するにつれて偽ることは難しくなっていきます。親が決めたことですから本人たちの意志ではありません。きっと周囲から求められる性別と本当の性別が違うことへの違和感が成長するにつれて大きくなったことでしょう。そのうえ自分が正しい性別で育った姿が目の前にあるわけです。完全に双子であったことが裏目に出てます。


 そうして起こる悲劇は、起こるべくして起こったと言わざる負えません。

 なぜに性別逆転させて育ってしまったのか……。魔よけのために男の子を女装させて育てるというのは聞きますが、女の子まで男装させなくてもよかったのでは? 親後さんはなに考えてたの? など、いろんな疑問がわきますが、今作はアン=マリーが誰かにあてた手紙という形でかかれています。つまり、アン=マリーが把握していることしか分かりません。


 それがこのお話の面白い部分であり、想像を掻き立てられる部分でもあると思います。長いお話ではないので興味ある方読んでみてはいかがでしょうか。


 話は双子に戻るのですが、異性双子の性別入れ替えはいいですね。幼い頃は見た目も一緒ですし、男女の差なんて周囲もお互いもそれほど感じていないのに、思春期が近づくにつれて思考も体も変化していく。一緒だったものが異なるものに変化するわけです。とっても美味しいと思います!


 自作でもいつかやりたいなーというモチベをいただきました。ありがとうございます!

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