消しゴムに性犯罪者呼ばわりされる予定は無いので

かたなり

メモ帳に書いたウソのウソのウソ

 嘘をつくぞ~!!!って思いながら適当なことを書くのは楽しい。


”俺はメモ帳の適当なページを開いて、適当なことを書き殴る。


『私は落書き帳を開く。適当なことを書き散らすのだ。


「煮え湯を飲むって白湯のことらしいわよ。健康志向なのかもしれない。ドトールの煮え湯は二杯目からは半額らしいけど、知ってた?いや、煮え湯フラペチーノって、それはぬるま湯やろがい(笑)

辛酸が麻辣湯のことだったって発表されたときも結構驚いたよね。今じゃみんな辛酸舐めまくり、汗かきまくりってわけよ。」


 急に、手元から叫び声が上がった。


 やめてください!わたしのことを性的な目で見ないでください!


机の上に置いてある、消しゴムが主張している。


私はどうしたものかと考えた。なぜかというと、私は消しゴムのことを性的な目で見たことが無かったからです。


 うるせえ!犯すぞ!


うるさかったから叫んでみました。叫んではみたものの、ねえ……。

辱めを受けさせればいいのかな。消しゴムにとって恥となること、うーん、敢えて、消させないというのはどうだろう。


 おい!廊下で立ってろ!


おや、消しゴムが泣いています。いい気味ですね。

私は落書きに戻った。


「嘘ばっかりついてると信用されなくなってしまうっていうけど。眉唾な話じゃない?ところで口から酸性の毒液を出すタイプの人が眉に唾をつけたら意味がだいぶ変わってくるわね。というか、いやまず攻撃手段として使えよっていうか。」

うーん、もっとさきに言うことがあるはずだ。


 「そもそもさあ、眉に唾をつければ化かされないって。なに?」』



 や、これは俺も思う。



『「そんなことしてキツネ(※注1)とタヌキ(※注2)に対抗しようってことなのかしら、だったらもっと張り合えそうな奇行なんていくらでも思いつきそうじゃない?消しゴムを泣かすとか。


(※注1)キツネ(狐)は、哺乳綱ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ亜科の一部。狭義にはキツネ属のことである。

(※注2)タヌキ(狸、Nyctereutes procyonoides)は、哺乳綱食肉目イヌ科タヌキ属に分類される食肉類。


どう考えても眉に唾を付けたくらいで対抗できる存在じゃあないじゃないの。イヌ科の肉食獣って、それはもうオオカミと同じなのよ!

 はあ、はあ……なんだっけ、ああそう、嘘の話だったわね。嘘をつくのは良くないわ。でも、嘘をつくのは楽しいわ!

楽しいので、特に意味のない嘘ばかりついてしまうわね!」


私はニコニコしながら嘘で満ちた落書き帳を閉じた。

後で消しゴムを拾いに行ってあげないと。』


メモ帳のページを破って一読する。

俺はなんだか飽きてきたので、書いた紙をビリビリにした。でも結局捨てる場所が無くて困ったりする。”




 そして、なんだか締まらないな~なんて言って、僕は画面の右上にある「保存」ボタンを押す。


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