第69話

 昼休憩が終わると、俺は隠密スキルを発動させてダンジョンの8階に向かった。

 このスキル、使いやすい!


 ゲームのようにダンジョンの階をショートカット出来ない為、走って上の階に向かう必要がある。

 だが、隠密スキルを使えば魔物をスルーして上に行ける。


 カインは隠密スキルを使っていた。

 この方法でレベルを上げたように思う。

 上まで行って高火力のファイア連射の後、すぐに隠密を発動させて逃げればいい。

 だからカインは逃げるのが得意だったのか。


 次はダンジョン8階か。

 緊張する。




【ダンジョン8階】


 8階は迷宮が中心で、森や草原、川も少しある。

 いかにもダンジョンって感じに見える。


 すぐに黄色いダミーファックが出て来た。

 8階のダミーファックは黄色なのだ。


 

 俺はダミーファックを狙い近づく。


 ダミーファックは途中で俺に気づき、鞭攻撃をして来るが、カウンターで返す。

 能力値が上がっている為か、ダミーファックの攻撃が重く、動きも速い!


 6階、7階、8階と階が上がればダミーファックはどんどん強くなっていく。

 だが、何とかスキル無しで倒せる!


 敵感知に反応がある!

 高速で3体が近づいてくる!


 この速度!ダミーファック3体だ!

 今いるダミーファック1体と合流されたらまずい!


「カースウォー!月光!」


 俺の体に闇と光のオーラが現れる。


「三日月!斬月!」


 一気にダミーファック1体を倒した。


『呪いの状態異常がLV1になりました』

「リカバリー!」


 解除魔法で呪いを解く。

 更に異常解除ポーションを飲み、魔力ポーションを飲んだ。


 そしてダミーファック1体に狙いを定めて走る。

 鞭攻撃を躱し、急接近し、攻撃を続ける。


 スケルトンは一瞬で倒され、出現が間に合わない。

 避けきれず横に迫ったダミーファックの攻撃を受けた。

 3体同時はきつい!

 俺は包囲された。


 何とかステップを踏んで、位置取りを変えるが、俺がターゲットにしているダミーファック以外は俺から距離を取って中距離から攻撃してくるため、うまくいかない。


「三日月!斬月!」


 ダミーファックに攻撃を受けつつ、1体をごり押しで倒し、もう1体に迫った。

 2体だけになれば大丈夫だ。


 月光の効果が切れた。


 俺は1体を盾にするように立ち回り、ダミーファックを倒す。

 後1体!


『呪いの状態異常がLV1になりました』

「ヒール!リカバリー!」


 グオオオオオオオオオオオ!

 敵が迫って来る。

 ゴブリンキングか!

 しかも仲間を呼んでいる!


 カースウォーの効果も切れた!


 俺は急いで残ったダミーファックに攻撃を与える。


「三日月!斬月!」


 く!倒しきれないか!

 もうMPが残り少ない!


「うおおおおおおおおおおおおお!」


 通常攻撃の連撃でダミーファックが倒れる。


「全力で逃げる!」


 俺は走ってゴブリンキングから逃げた。

 まずいまずい!

 まともに戦ったら武器の耐久力がやばい!



 俺は7階に退避した。


「隠密!」


 俺は岩陰に隠れた。

 リペアのカードで武器の耐久力を回復する。

 魔力ポーションも飲む。



 やっぱ8階のダミーファックは固い。

 中々しぶとかった。

 呼吸が整ってきた。


「スケルトン!」

 

 途中でスケルトンの効果が切れないようにスケルトンを使う。

 再チャレンジだ。


 俺はまた8階に向かった。



 居た、ゴブリンキングと、雑魚と中ボスか。

 全部で50ほど。

 弓ゴブと杖ゴブが多いな。

 戦いを仕掛けて、迷宮の曲道で迎え撃とう。


 ゴブリンキングや雑魚と闘いつつ、全部の遠距離攻撃を躱すのは無理だろう。

 

 俺は雑魚ゴブリンを斬る!

 そして追って来たら逃げる。


 迷宮の曲道で待ち構え、出て来たゴブリンを倒していく。


 グオオオオオオオオオオオオ!


 仲間を呼んだか。

 後ろからもゴブリンが迫る。

 俺は遠距離攻撃をするゴブリンを優先で倒していった。


「シャドーバインド!」


 危なくなるとシャドーバインドを使い、ゴブリンを斬りながら弓ゴブと杖ゴブに迫って斬りつける。


 剣を持ったゴブリンキングはダミーファックより弱いが、遠距離攻撃をして来る弓ゴブと杖ゴブが厄介だ。


 ゴブリンキングより遠距離攻撃をして来るゴブリンを狩りつつ、ゴブリンキングは倒さない。


 グオオオオオオオオオオオオ!


 ゴブリンキングは何度も仲間を呼ぶ。

 俺は何度もゴブリンを倒す。


『きゅうのLVが9に上がりました』


 俺は一気にゴブリンキングを倒す。

 そしてゴブリンを全滅させた。


「や、やっと、9になった」


 きゅうは一生懸命ドロップ品と魔石を回収する。

 いつもと変わらない動きだ。


 だがきゅうは強化された。

 能力値アップが+300から+400になったのだ。


 俺はすぐにステータスを開く。





 ハヤト 男

 レベル:1

 固有スキル きゅう:LV9

 ジョブ:斥候

 体力:1+100  

 魔力:1+250 【UP!】 

 敏捷:7+350  

 技量:1+100  

 魅力:0+100 

 名声:0+100  

 スキル・闇魔法:LV10・刀剣術:LV10・聖魔法:LV10・超人体:LV10・罠感知:LV10・敵感知:LV10・偽装:LV10・ステップ:LV10・カウンター:LV10 ・隠密:LV10

 武器 漆黒の刀:250 ・防具 漆黒の衣:150 

 斥候の紋章 ・耐性の紋章 




 全部魔力に振った。

 お金も貯まった。


 俺はダッシュでダンジョンの外に出る。




 ダンジョンの外に出ると、エリスの元に走る。


 うさぎ亭の大部屋に入り、エリスを見つけた。


「エリス!この魔石で輪廻の刀を作ってくれ!」


 俺は1億魔石を出した。

 輪廻装備は最強ではないが、レベル1で装備できるという条件の中では最強だ。

 レベル1の俺が今使える最強の装備なのだ。


「分かったよ、明日の朝でもいいかい?」

「大丈夫だ!問題無い!」

「明日までに仕上げるよ」

「頼む」


 俺はすぐにうさぎ亭を出る。


 そしてダンジョンの外のベンチでステータスを開く。



 


 ハヤト 男

 レベル:1

 固有スキル きゅう:LV9

 ジョブ:斥候

 体力:1+100  

 魔力:1+250 

 敏捷:7+350  

 技量:1+100  

 魅力:0+100 

 名声:0+100  

 スキル・闇魔法:LV10・刀剣術:LV10・聖魔法:LV10・斥候術:LV10【NEW!】・超人体:LV10・ステップ:LV10・カウンター:LV10 

 武器 漆黒の刀:250 ・防具 漆黒の衣:150 

 斥候の紋章 ・耐性の紋章 




 やっと、斥候スキルを統合できた。

 きゅうのレベルアップはしばらく先だ。


 スキル枠は空けておこう。

 そして、ファルナと話をする必要があるか。

 次のステップに進みたい。


 次は、輪廻の衣か。


 金だな。

 俺は夜になるまでダンジョンで魔物を狩った。




 










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