第12話
「さてと…早速とこの超絶に分厚いにも度が超えている、“魔物生成書~誰もが突っ込みたくなるかも知れないキャンペーン実施中!?因みに素材は召喚魔法及び自給自足で~”…は流石に長過ぎるので、略して魔物生成書を開きますかね」
行儀悪いのは百の承知だが、俺は食べながら転生する際、プレゼントとして今さっき届いたばかりの書物を開いてみた。
「ん…?んんっ?アレ?白紙…?どういうことだ?生成書って言うぐらいなんだからさ?色々と魔物の生成に関する材料とか書かれている筈だろ?どこがさ?誰もが突っ込みたくなる…いや。そこが突っ込みか。だからといって…うーん」
魔物生成書、どのページも全て白紙。
何だよ…コレ。
スッゲー詐欺過ぎる本じゃないか。
それだけで良くもまあ、紙の資源を無駄にしたものだよなぁ。
魔物生成書って言うぐらいなんだ。
最初は、定番の定番モンスターのスライムから記載されて…!?
「んっ!?ほ、本が自動的に…?スライムって思っただけで、生成材料がスラスラと…。それに生成方法まで自動的に書かれ始めたぞ」
この本って思っただけで、魔物の生成材料とその方法が記されていくってことなのか。
うーん。そうなると困ったな。
俺、国民的RPG程度のモンスターしか知らないぞ?
流石に『デ○タムーア』とか『ラ○ソーン』なんかは拙いだろうけど。
うん。思っただけで記載はされなかった。
後で生成材料とその方法をじっくりと読むとして、俺の身なりをちゃんと確認するとしよう。
転生特典の中に『超絶美青年』って…?
確かに前世の俺はさ…前にも言ったけどさ?
濁声という酷い声だった。
余りにも酷い声で就職するのもやっとだったし。
容姿もさ?余り宜しく無いんだよな。
余りファッションとか興味がないから、いつも同じ系統の服ばかり。
だってさ?流行にはすっげー疎い。
代わりに食べ物には敏感だったけどな。
気になる食べ物には、例えだ。
3時間待ちだろうが6時間だろうが10時間だろうが並んだね。
そのせいで、抽選会場で並ぶのは苦痛とは思えなかったし。
この世界で気が付いてチラッと姿見で見ただけで、実際問題ね?
俺、良く見ていなかったんだわ。自分の変わり果ててしまった容姿。
だって、余りにも変わり果てていて、どう突っ込めばいいのか分からなかったし。
典型的な良くある少しお腹の出た中年がさ?
国民的RPG4の『ピ○ロ』と幻○水滸伝シリーズの『美青年』キャラクターを掛けて割った感じの容姿って…自分でも信じられなかったし。
それがさ?転生した俺は、髪色が金と銀に目は青って…?
それに髪型はなかなか良い感じのシャギーカットって…マジで前世とは全然違うよな。
前世は短髪のスポーツ刈りに黒だったし。
いや、別にこういう系がさ?
個人的に超絶美青年系のキャラクターって訳じゃないんだけどね。
容姿としては、女性受けしやすい感じのキャラクターだったような気がするだけ。
俺の情報網は、相当古いので、今時の美青年系は良く分からないけどさ。
「とりあえず…魔物の生成をのんびりとやっていくとしよう。今の俺は時間だけは幾らでもあるからなぁ…」
魔物と人間を始めとする他種族とのスローライフ生活…ってのが俺の理想なんだけどね。
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