第11話 ふで5
のんびり荷物を纏める。大きな収入が入った後で気は楽だ。雇用と身元引受人の解除に伴い住込みで働いて居たお店から出ることになった。僕は立場上監察される立場となり、道場に通うことも禁止。仕事も孤児院の子供と同じ業務に携わる事になる。十五歳の成人まではそれ以外の業務は受けられない。幸いな事にギルドや商家の口座は罰金で目減りしたものの、それなりの額が残っており、今後も変わらずに使用可能だ。
そして、仕事に関してだが上記の判決はこの町でのみ有効だ。
町で大人しく我慢して過ごすが、他所で働くか選べ。それで成人した頃にはチャラだという、僕と同じ罪に問われる犯罪奴隷に落ちた少年達と比べると遥かに軽い措置だ。もし僕に蓄えが無く、マレクさんをはじめとした大人たちの減刑の嘆願が無ければ僕も奴隷に落ちていただろう。嘆願してくれた商家、ギルド、道場とは成人までは関われないが、今生の別れでもないし、5年も待たずに復帰できる。実質無罪である。
町の牢屋で面会していらい顔は合わせていないが気持ちは通じている。
今は届けてもらった私物を荷車に乗せている所だ。食器と調理器具、包丁と鍋にもなる深底のフライパンと簡易コンロ位だ。後は衣服。背負い袋に食料を詰めて。後は忘れちゃいけない鍵編み用の棒。案外私物は少ないね。商品作ってばかりだったから自分用の道具を持っていない。
荷車はまだ半分以上空いている子供一人なら充分寝そべる事が出来る。。少し大きいの買ってしまった。まあ、野宿する時に空いた部分に横になれるのは良いことだ。地面に寝そべるよりはましだ。
今後の身の振り方については決まっている。この町から徒歩で数日の所に大きな街がある。ここいらの地域を領地として収める貴族の住む街でそこから国の首都へ街道が伸びている。この町に付近の村々で作られた農作物や物資が送られる、同様に他の町からもそこの街に送られる集まる。そんな流通の要所である。
能力に自信のある若者はそこで一攫千金を更には国の首都で成り上がりを夢見る。成り上がらなくてもこの町で過ごすよりマシな仕事にありつけるだろう。
荷物を積み終え荷車を引く。勿論人力だ。意外に軽く感じるのは荷物が少ない事と、身体能力強化スキルの恩恵だ。
町の外へ出る門に差し掛かる。何の申請も無いので通行料が取られる。そのまま出ようとすると、門番に通せないと言われた。
そのまま通行の邪魔にならない場所に誘導され、待機を命じられる。立場的に逆らえるわけもなく素直に従う。
諦めて町中で働くしか無いかと考えを巡らせる。
待機命令は中々解けず日が傾いてきた。そこで漸く門番が僕に声を掛けてきた。その横には酷くやつれたキリの姿があった。
「奴隷分の通行料を払え、それで通って良い。」
事務的に告げられた。
その門番に奴隷の分の少し割引な料金を払う。するとキリが僕に倒れかかる様に抱き着いて来た。
「主が勾留されていた為、奴隷か証拠隠滅等をしないように別の牢へ入れておりました。無断での奴隷の放棄は違法となります。」
そんな決まりもあった。僕も今回の事で結構まいって居たようだ。僕の肩に顔を埋めて涙を流す少女。彼女はどんな思いで居たのだろう。あれから知り合いも居ない所で彼女も閉じ込められて居たわけだ。
現状、孤児院の子供達から除け者にされ。大人に見放されて僕の奴隷になった少女。その後の生活は一応の安定と平穏があった。他に寄る辺のない彼女にとって僕との繋がりは大きかったろう。それが今回の事で失われかけた。大事な荷物を置き忘れて居たようだ。
泣き止まぬキリを荷車の空きに座らせて歩き出す。
さっきと比べて重く感じる。
町を出たことで安全対策を増やす。分霊を解除し再発動。周囲の警戒にあたらせる。近くの村の迄の道中先行させて安全確認をする。その後をゆっくり車を引いて進む。
途中、キリが自分が引くのだと主張し代わろうとしたが、直ぐにバテて今は荷車の横を歩いている。
あまり進まない内に日が暮れた。
魔術で出した水に固形食を溶かしていつものスープにして飲む。その後は横になって休む。
夜になると少し寒い。毛布は1枚しか無い。
無言で地べたに寝転ぶキリ。荷車に乗るように命令する。キリの顔が苦痛に歪む。命令に反抗している様だ。
なので一旦命令を取り消し、僕が先に横になる。ギリギリ二人なら身をよければ入れる空間だ。
空いた空間をさして、来いと命令すればすんなりと従った。
「次からは寒いから、先に毛布にくるまって温めておけよ。」
僕の言葉に頷くキリ。細い体は荷車の床より冷えていた。背中から抱きしめる。
「一人だと寒いからな。主人に風邪をひかせるなよ。」
方便だ。そういえばキリは毛布を使うことや荷車で僕と寝ることに抵抗しまい。この子は下手に寒空の下で寝かせれば体調を崩すだろうし最悪の場合、凍死もある。
完全な足手まといだが見捨てるつもりもない。
街について仕事が見つかったらこき使ってやろう。折角勉強させて育てたんだ。大事に扱わないと。
そんな言い訳を考えながら僕の体温を受けて温まったのか、寝息を立て始めたキリの鼓動を感じながら僕も眠りに落ちた。
町の外で初めての朝を迎える。少し寒い。これからの季節もっと寒くなる。その前には何処か雨風を避けられる場所を得ないといけない。
まぁ、今はどうしょうもない話だ。
寝起きに少し型稽古で体を解す。
朝食を食べて荷車を引く。
キリは歩けるだけ歩かせて、疲れたら荷車に乗せる。申し訳無さそうな顔をしてるが、町に居たときも、店の中で勉強か店番するだけで引きこもり状態だったんだ。体力の無さは諦める事だ。
途中、旅人の休む宿場を兼ねた村に差し掛かるが先を急ぐ為に通り過ぎる。この先は緩い登りの峠道になり、魔物も出て危険であるから、そうした場所で野宿は褒められた行為では無い。僕の場合は分霊が休み無く周囲の警戒と道先の確認をしているので、何とかなっている。
今の所は分霊に対象出来ない様な強力な魔物は現れていない。
そして、今夜はというと少し毛色の違う相手が分霊の視界に入った。
森の中に倒木を重ねた様なモノがある。明らかに自然物では無い。そして、その脇の藪から数人の男が出入りしている。各々武器を持ち僕の進む街道の先へ向かう。
山賊である。まだこちらには気がついて居ない。たがこの後街道を通る者を物色して良さげな獲物が居れば襲うのだろう。
例えば荷車を夜中に引いて歩く子供とか。荷台に少女でも乗っていれば尚良いだろう。男は殺して積荷を奪って、後は無かった事にする。
分霊で対人相手は初めての事だ。
男達の出てきた所には中にまだ気配がある。
先に出てたのは偵察の人員だろうか。3人一組で進んでいる。
分霊にオーラを纏わせる。高まった身体能力で近くの木に駆け登る。上から見ると、丸太を積んで草を掛けただけの簡素な小屋だと判る。隙間も多いかギリギリ雨風は防げるだろう。中には8人程の男がいる。半分は横になっていて、後の半分は各々作業をしている感じだ。警戒心は感じられない。
ゆっくりと屋根の上に移る。
分霊は魔術は使えないがスキルは使える。その辺の仕組みはわからないが、そういうものだ。使うのは生産スキル。と言っても何かを作るわけでは無い。この雑な造りの小屋を構成している丸太を少し変形させる。内側に向かって崩れる様に。
突然の事に、中の男達は理由もわからぬまま全員丸太の下敷きになる。そして、物音と彼等の叫びは森のさざめきに紛れて消える。
確認すると8人中6人は意識が無い。意思のある一人は両足を潰されている。丸太を挟んで、脚の角度がおかしな方向に向いている。もう一人は背中から潰されている。枝が刺さっている様で、意識はあるが血を吐いて呻いている。
どちらも無力化されていると判断し、先の3人を追う。
多分前世も含めて初めて意図的に他者の命を害したのだが、分霊越しのせいか実感が薄い。
3人は道を行く僕の姿を見つけた様で、距離を取りつつゆっくり並走するように進んでいる。
一人が何か指示を受けて来た道を戻りだす。仲間を呼びに行くのだろう。一人になった所で分霊に襲わせる。死角からの渾身の一撃で動きを止めて、一息に拳を何度も打ち付け、最後は後ろに周り首を取って折る。
先程より罪の意識と嫌悪感がある。荷車を引く足が止まる。
「大丈夫?あの、無理はしないで、下さい。」
僕の様子に遠慮がちにキリが声を掛ける。
「そうだね、もう少し行ったら休むよ。」
軽く応じて足を進める。峠道の途中、傾斜が緩く広場の用になっている場所で足を止める。
「あ、あの」
キリが何か言いたげに包まっていた毛布を開く。
「ちょっと待って、汗を拭いたら行くから温めて置いて。」
取り出した布を清浄の水の魔術で濡らして服の下を拭いていく。さっぱりするが身体が冷える。拭き終えて布を荷車の引手に掛けて干したら、キリの横に
その前に男達が動いた。子供二人なら仲間の到着を待つ迄も無いと判断したのだろう。
それぞれ短刀とナタを構えて僕達の前に姿を現した。
なんの捻りもない脅し文句と、キリを見て舌舐めずりする品の無い表情。11歳の子供に欲情してるのか。どれだけ日照りなんだか。
僕も当然引かない。分霊も呼び戻す。
ここで1つ発見。僕の横に分霊が立っていても男達とキリは反応しない。分霊が見えて居ない様だ。先程の男が避ける素振りも無く殴られたのは分霊が見えなかったからか。そういえば元ネタも同じ能力者にしか見えない設定だったな。
考えながらオーラを纏う。男達はそれすら気が付かない。棒立ちの僕を恐怖にすくんでいると判断して、無警戒に寄ってくる。近いナタ持っている男に手を伸ばす。腕、手首をとり捻る。その状態から更に手を打ち盛っていた凶器を落とさせる。驚きながらも短刀を振るうもう一人に、腕を取っていた男を盾として突き出す。
男の背中が斬られ血飛沫が舞う。男がキリを人質にしないように分霊を行かせて居たが無駄になった。斬られた男を開放し、短刀の男に向き直る。まだ冷静さを失っている。短刀を振り降ろした姿勢のまま固まっている。
踏み込んで降ろしたままの手を蹴り上げる。僕の背丈では少し相手の股間にも少し届かない。しかし、手を蹴り上げられ、刃が自分向いて動きいた事に驚き、男は咄嗟に短刀手放した。落とした短刀を蹴って届かぬ距離に飛ばす。
互いに無手で睨み合う。
「このガキゃ!!」
怒声と共に向かってくる相手をいなし打撃を腹に。
男の顔に苦痛の色が浮かぶ。だが威力が足りなかった。男はそのまま僕に覆いかぶさる用に掴みかかる。相手の踏ん張りが利かず、体重が伸し掛かる。それを払いのける事が僕には出来ず、一緒に倒れ込む形になった。
かなり不味い状態だ。馬乗りになられるのを避けるが、それでも体格差で相手の腕は僕の顔に届く。振り下ろされる腕は打撃の為で無く、僕を押さえつけるためのものだ。肩を押さえそこから首を片手で掴もうとする。
この姿勢からでは僕の技量では体格差と腕力の差に抗えない。分霊を使い、男を攻撃しようとした時、男の動きが止まり脱力する。そのまま覆いかぶさって来た男を押し退けしたから抜け出す。
倒れた男のそばにキリが血に汚れたナタを持って立っていた。男の首元から血が出ている。
「良くやった。助かったよキリ。」
無表情で震える手でナタを握ったままの少女。彼女の手を汚させた事に罪悪感を覚える。彼女の手からナタを奪う。
もう一人、背中を斬られて呻いている男。まだ息はある。その男の延髄にナタを振り下ろす。何も感じない。
完全に自分の慢心と未熟さによる判断ミスだ。
自分より、キリに人を殺させた事への後悔が強い。
まだ僕は誰かを守れる程強くは無いのだ。
魔術で血を流し、少し荷車を進めて男達の死体が見えない所に移動する。キリはまだ震えている。彼女の手を取ろうとして気が付く。僕も、ナタを振り降ろした腕を強く握ったままで、爪が手のひらの皮を裂いて出血していた。水の魔術が染みないからわからなかった。
分霊に死体を街道から離れた所に移動させつつ、キリを正面から抱いて横になる。
今は何かにしがみついていないと自分を失いそうな気分だ。
翌朝、まだ憂鬱な気分だが目が覚める。僕の胸で眠るキリの表情はそれなりに安心している。それにつられる様に僕も少し落ち着く。
身体を起こし、朝食の用意をしながら型稽古。ふと分霊の姿が目に入る。そこで思いついたことを試してみる。分霊の操作を止めて自動制御状態の分霊と組み手をする。
小柄な姿とはいえ、それは大人としてのもの。子供の僕より体格に優。速さもそうだ。睡眠を取らない分霊は僕の倍の時間戦闘と訓練に明け暮れている。
速く強く上手い、完全な格上相手の組手となる。
全然思うように動けない。これは良い訓練だ。
気が付けばキリが起きてきて僕の稽古を見ていた。その顔は泣き出しそうだ。
稽古の後彼女に歩み寄る。
「昨日はありがとう。キリは命の恩人だね。もう、奴隷扱いは出来ないな。」
言葉の途中で腕を掴まれた。
「まだ足りてないです。私は何回も助けて貰ったから。だから。」
「わかった。」
この先、もう少しキリと話して互いの理解を深めたい。彼女をもっと知りたい。そう思っていた。1年一緒に暮らし世話をやいて、今回のこともあり情が移ったと、言われればそれまでだが。悪くない。彼女の存在が僕の中で大きくなっていた。身体の焼印の効果を打ち消す方法を探そう。あれがあると、彼女は誰かの奴隷としてでしか生きられない。
それは僕が望まない話だ。
荷車を引き、その横をキリが歩く形で出発する。その際にキリに色々と話しかけてみる。意外と自分が話題に乏しいとわかる。大人達と仕事の話と勉強の事しか話して居なかった。
年相応の話題になると、生まれた村での暮らし、仕事の合間に両親や歳下の子達と遊んだ話し位になる。
「話してみると、つまらない話だな。町の方が村より豊かで楽しい暮らしなると思ってたのに。仕事と勉強ばかりだった。」
自嘲しながら口する。
「キリの事を教えて欲しいな。」
話す事が直ぐに無くなって、彼女に話を振る。
「つまらなく無いよ。凄い話し。皆がサグと同じ事が出来ていたら、もっと豊かで皆が楽しく暮らせる。」
そう言って僕を慰めながら彼女は話し始めた。
キリの両親は元々貧しく、僕が町に来る切欠になった飢饉の頃には、直ぐに蓄えを失い食いつなぐ事が困難になったそうだ。
元々素行の良く無い集まりに所属し、貧民街近くの治安の悪い地域にいた事もあって、犯罪に走るのは早かった。そして捕まるのもまた早かった。死罪とまではならなかったものの、奴隷として労働刑に服している。おそらくもう合う機会は無いだろう。
当時の孤児院の子供たちは多くが似た境遇の子供で、孤児院に引き取られ無かった子供は親と共に服役していると聞いた。
そして孤児院を運営している者達はそうした親の都合から、子供達を半ば犯罪者として扱っていた。
しかし町の人達は、子供に罪はないと最初は優しかったらしい。
しかし、直ぐに僕が町に来た。親が悪さをしたわけではない。口減らしの方便として、町に出稼ぎに子供を送った形だ。
その子供は孤児院の子供達と比べて、明らかに行儀が良く、勤勉であった。
大人達の態度が変わる。犯罪者の子供とはこれほどに違うか、犯罪者の血は争えない。
将来は親と同じになるのでは。
そんな声が出てくる。
その上、孤児の親たちが行った悪行の被害者達の声も加わる。被害者達の声は多くは厳しい物になる。
そうした中で生まれた孤児達の不満は僕へと注がれる。しかし、多くの大人が、それも中には孤児達の親と親交のあった反社会な大人達迄もが僕を見守りだしている。
それ故にちよっとした嫌がらせに留まっていた。その孤児達の纏めをしていたのがキリだ。
その後孤児達の間で力関係に変化が起きて、僕に向かって貯められていた不満は全て、以前の頭だったキリに向かった。
ほんの数日だったが、孤児達から暴行を受けて、僕に引き取られる迄の間に、常に死を意識していたという。
確かにそれだけの状態であった。
見かねて治療したのだが、それも巡り合わせが悪かった。キリの両親が捕らえられた罪状は強盗。マレクさんが籍を送る商家の行商を襲ったそうだ。被害の回復は未だになされていない。
そんな商家の人間が大金が必要な治療を加害者の娘に施したのだ。
孤児院の運営を任されていた男は、それらの状況から降りかかる火の粉を退けようと全力で取り組んだのだ。
行き過ぎた行いではあったが、キリの事を切り捨てるのは判断としては間違いでは無い。マレクさん達が本気でキリの両親からの被害を取り戻そうとしていたなら、それを現金を失わずに済ませるなら。キリの身柄を差し出すのも、あり得る価値観の世界のようだ。
「貴方に仕えるようになってから、沢山の事を教わりました。勉強に仕事の事も。あのときは孤児院の皆も先生も皆も私を排除しようとしていて、身体もずっと痛いし、目に映る物が皆敵に見えて怖かった。だからあのお店で働いて居た時は本当に幸せでした。」
そこまで話し、何かを思い出した様に表情を曇らせ涙を流し始める。
「お店にあの子達がきて、怖かった。また痛くなるのかと。でも貴方が来てくれて。また助けてくれて。嬉しかったのに。」
「あのくらい何でもないさ。僕も鍛えてるからね。」
「ごめんなさい。貴方は悪くないのに。町に居られなくなって。私のせいで。」
口にした言葉に、感情が刺激されたのかキリの泣き声は大きくなる。
彼女が居なければ、僕は今もあの町で平和に働いていただろうと。なのに自分を置いて僕が町を出ることになり、昨夜の様な危険な目にまであう。
「アタシが、アタシがいたから」
足を止めて振り返り、キリの口を手で塞ぐ。
「それ以上は駄目だよ。」
涙と鼻水でひどい有り様の顔がしゃくりあげる。
「次の場所でもコキ使うから安心して良い。一年かけて手塩にかけて勉強教えたんだ。役に立って貰うよ。」
キリが頷く。
「今迄生きてきた時間より長く働く事になるからね。充分元は取らせてもらうよ。」
瞳に落ち着きが戻ったので塞いだ手を離す。
「アタシ頑張ります。」
「その意気だ。」
「仕事も、後は女の奴隷としても。」
「それは、わかって言ってるのか?」
「実は良く知らないけど。まだ出来なさそうなのはわかるから。」
そう言っての両手で胸を抑える彼女の顔は、先程と同じ位曇っていた。これは僕にもどうにも出来ないな。
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