可愛い女子高生二人の小さな探検
!~よたみてい書
本当に価値のあるモノ
白髪の女性が眉尻を下げながら小さくため息をついた。
(はぁ……どうしてこんなことに)
夕日が大地を照らしている頃、高校の教室中で白髪女性が遠くを見つめながら机の上で突っ伏している。
白髪女性は十七歳くらいの容姿をしていて、身長は百五十八センチメートルくらい。黒い瞳をしていて、目尻は少し垂れさがっている。前髪は眉まで伸ばし、後ろ髪なうなじで綺麗に切り揃えていた。また、青と白が組み合わさった制服を着ていて、胸部には小さめの膨らみが一対出来上がっている。
そして、桃髪の女性が、細めた目で太陽を見つめている白髪女性に近づいていく。それから、笑みを浮かべながら軽く手をあげた。
「どうしたの、一緒に帰ろ?」
桃髪女性も十七歳ほどの姿をしていて、約百五十五センチメートル程の身長をしていた。目尻がやや吊り上がっていて、目の中に赤い瞳を宿している。目の上辺りまで前髪を垂らし、両側頭部に長い尻尾を作って後ろ髪をまとめていた。そして、青と白が組み合わさった制服を身に着けていて、大きな膨らみを一対胸部に作っている。
白髪女性は顔の向きを左右反転させて、桃髪女性を見上げた。
「うーん……ちょっと、落ち込んでる最中」
口に手を当てながら、もう片方の手で宙を数回程叩く桃髪女性。
「落ち込むのは景気だけにしときなって!」
「えっ?」
桃髪女性は硬い笑みを作りながら頬を掻く。
「……あー、ケーキでも食べにいく?」
「うー、今そんな気分じゃないかも……」
手を背中で組みながら首を傾げる桃髪女性。
「なにかあったの? よかったら言ってみてよ。言えることならだけど」
白髪女性は教室に残っている生徒達に視線を向けた。そして、数秒程したら桃髪女性の顔を見つめる。
「大事なものを無くしちゃったんだよね」
桃色女性は目を見開きながら両手で口を押えた。
「まさかっ、念じただけで物体を具現化できる能力を無くしちゃったとか!?」
「なんじゃそりゃ!」
眉尻を下げながら乾いた笑みを作る白髪女性。
「そんなのじゃなくて、キーホルダー無くしちゃったんだよ」
桃髪女性は一瞬体を固めさせたあと、小首を傾げた。
「……ん、キーホルダー? どんなの?」
「黒猫。幸運を招くんだよ」
「……うーん、言葉だけじゃわからないなぁ。画像とかって持ってたりする?」
「多分、あるー」
白髪女性は首に下げていたネックレス型端末の表面を押し込む。すると、前方の宙に長方形の映像が映し出された。そして、眼前の映像を指で数回押していくと、外側からでも映像が見えるようになる。さらにもう一度指で押していくと、映し出されている黒猫の映像が反転していった。
桃髪女性は目の前の映像を黙って見つめ続ける。
「あっ……」
「あっ?」
胸の前で手を合わせて、笑みを浮かべる桃髪女性。
「あー、やっぱり! 最近
白髪女性は微笑みながら小さく頷く。
「そう。結構高かったんだけどなぁ。幸運じゃなくて不幸を招いたよ」
「やっぱり、希少だから、だよね?」
「だろうねー」
桃髪女性は眉尻を上げて、拳を掲げながら語気を強める。
「それなら、探そうよ!」
「うーん……」
「大丈夫! 見つけれるって!」
「だといいなぁ……」
硬い笑みを作りながら頬を掻き続ける桃髪女性。
「覚えてたらでいいんだけど、最後に持ってた場所って?」
白髪女性は頬に指を当てながら天井を見つめた。
「んー……どこだろ。日記室かな? たぶんあそこで落としたかもしれない」
「どうして日記室だと思うの?」
「ネックレスに取り付けてたから、早めに気が付いたんだけど、日記室から出た後無くなってた、気がする」
「取りに戻らなかったの?」
「時間に余裕が無かったからなぁ……。だから、今からなら探しに行ける!」
桃髪女性は手を叩いて語気を強める。
「うん、一緒に行こう!」
明るい笑顔を浮かべながら首を縦に振る白髪女性。
「うんっ!」
白髪女性は椅子から立ち上がり、二人は教室の出入り口から廊下に出ていった。
日記室内の棚には、卒業生たちが残した紙の日記が並べられていたり、電子日記が記録された大型の端末が設置されていた。
そして、桃髪女性は額に手を当てながら室内を歩き回っていく。
「ここで無くしてたとしても、誰かに拾われてないかな?」
軽く握った手を胸に添えながら床を見渡す白髪女性。
「出来ればそんな展開になってて欲しくないなぁ」
「うーん、祈るしかないね」
二人が数十秒ほど室内に視線を巡らせていると、桃髪女性が大きな声をあげた。
「あっ、もしかして、これじゃない?」
桃髪女性は笑みを浮かべながら小さめの黒い猫の模型をつまみ、白髪女性に差し向ける。
白髪女性は満面の笑みを浮かべながら桃髪女性に駆け寄っていく。
「あっ、それ!」
「わぁ、無事でよかったねぇ!」
「うん!」
「はい、どぞー」
白髪女性は前方に両手で小さな器を作る。それから、桃髪女性はつまんでいた黒猫を
数時間後、白髪女性とケーキを食べ終え、彼女と別れた桃髪女性は不安そうな表情を浮かべながら指をネックレスに持っていく。そして、表面を押し込み、前方に映像を表示させたら指を宙に何度も突き刺す。
【今、
黒猫の模型と一緒に文章が映像に表示されていたけど、すぐに消去されていった。
可愛い女子高生二人の小さな探検 !~よたみてい書 @kaitemitayo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます