第7話 呂布率いる董卓軍最強の親衛隊『飛龍騎』のメンバーを紹介しよう
董卓の屋敷で行われた呂布と貂蝉の華燭の典は、盛大なものだった。
王允の他、皇甫嵩、盧植、蔡邕といった、漢王朝に仕える高官の多くや董卓の軍師である李儒らも出席した。
おまけに、西方からも馬騰や韓遂らがわざわざ駆けつけた。
そして、呂布が率いる董卓軍最強の親衛隊『飛龍騎』を構成する武将たちも勢ぞろいした。
則ち、張遼、高順、成廉、魏越、侯成の五健将である。
彼らを簡単に紹介しておこう。
張遼、高順は、言わずと知れた呂布の配下の筆頭で、二人とも親衛隊『飛龍騎』の副隊長に任じられている。
張遼は、呂布に準じる武勇を誇っていたし、戦場における状況判断能力が優れていたため、目下のところ、呂布の参謀役も兼ねている。
高順は、騎馬部隊指揮能力が極めて優れており、彼の指揮する部隊は死者ゼロという記録を更新し続けている。そのために高順の直属部隊には「不死騎団」の異名があった。
成廉、魏越は、まだ十代で呂布の弟子に当たる。
呂布は、董卓から飛将の称号を名乗ることを許される同時に、自らの弟子を持つことを認められた。その最初の弟子となったのが、成廉、魏越であった。
成廉は、馬術、弓術共に天性の才能があり、呂布は、彼の将来に期待していた。
魏越は、才能はそれほどではないが、素直な性格で、言われたことは忠実に守り、人一倍訓練をする。董卓は、
「この子は大器晩成の子だ。大事に育てよ」
と太鼓判を押したし、呂布もそうだろうと思っていた。
侯成は、馬泥棒である。
元々、馬を盗むことを専業とする盗賊で、呂布の赤兎馬が見事であるのに目をつけて、馬小屋に忍び込んで盗み出そうとしたところを警備に当たっていた高順に捕らえられた。
呂布の前に引き出されたところ、侯成は、
「あの馬は怪我をしております。治療が必要です」
などと供述した。
実際、呂布は、愛馬である赤兎馬の調子が悪いと思っていたところだったので、試しに、侯成に診させたところ、侯成は、針を使って、呂布の赤兎馬を見事に治療してみせた。
その才能を買い、呂布は、侯成に馬泥棒から足を洗い、幕閣となるように命じたのである。侯成は、武勇や指揮能力は全くダメだったが、馬の捕獲、治療の専門家として、重用されていた。
蔡邕が作曲した「広陵散」などの名曲が奏でられる中、新郎の赤い礼服をまとった呂布は、美しく飾り立てた貂蝉と共に政庁に入った。
新郎の両親が座る席には、もちろん、慈父の眼差しをした董卓、それにその正妻である馬夫人が座っていた。馬夫人は馬騰の妹に当たる人である。
董卓に礼拝するとき、呂布は、
(師父のために、この身を捧げよう。師父が漢王朝復興を志すならば、俺も漢王朝復興のために生涯をかける)
と固く誓ったのだった。
貂蝉と腕を交差して固めの杯を交わす時は、
(この娘を生涯愛し抜こう。二人の間に子が生まれようが生まれないと、俺が愛するのは、貂蝉だけだ)
と誓った。
式が終わり、宴会となった時、貂蝉は、呂布に言った。
「奉先様、飛龍騎の幕僚たちを紹介してください。私も今日からその一員になるのですから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます