第2話
馬車に揺られる事数十分。もう王宮に着いてしまったらしい。
あと一時間はつかないで欲しかった。
やっぱり王宮を前にすると足がすくんでしまう。…まだ中に入っていないのに…
「…スノウ。早く降りんと他の人に迷惑がかかるぞ」
馬車の中でまごまごしてるとお父様に急かされてしまった。
王宮は白いお城でこういうのを白亜って表現するんだろうね。
私たちは大きな門もくぐり、会場へと入る。
天井から大きなシャンデリアがあり、壁際にはビッフェ、階段の近くには管弦楽団がきて心地よい音楽が流れている。このあとダンスもあるみたい。
憂鬱だなぁ。
「メイアール侯爵、狩大会ぶりですな」
「ユーフォ公爵、その節はお世話になりました」
「今日は珍しくご令嬢も一緒なんですな」
「お久しぶりです。公爵様。」
いつもは大体のものは欠席してるからね。ここにいる参加者の多くが私にとって久しぶりだ。会ったこともない人もいるのではないだろうか?
会場に入ってから早々に話しかけてきたお方はユーフォ公爵で父の古くからの友人である。なにかと相談したり、助けてくれたりする。
「今回はブリューゲル公爵も珍しく参加しているみたいでな、良き日ですな!」
ワハハと豪快さに、後じさりつつも父と公爵の話をそばで聞く。
こんなところで立ち話なんてやめて欲しい。早く目立たない所へと移動したいな。
話に華を咲かせている2人から離れようかと理由を探していると近くでワッと歓声があがった。
なんだろう?とスノウは目を向けるとそこには一際目を引く美男子が入ってきたようだった。
あれ?なんかあの姿見たことあるような…?
なにかひっかかりを感じそこから目を離せなくなった。考えこんでいると近くから
ご覧になってブリューゲル公爵よ。
やっぱり先ほどのお話はほんとうだったのね。
いつみてもあの人は神々しいわ。
などと女性達の囁き声が聞こえてきた。
なるほど、公爵様だったのか。どうりて見たことあったのか…でもそれだけじゃないような気がする。
もっとこう身近に感じていたような…
彼の恋を何かを通じて応援してたような…
なんでだっけ?
何か引っかかりがあった。
「ご令嬢はブリューゲル公爵の事が気になりますかな?」
私の見ていた先に気づいてユーフォ公爵が父との話を切り上げて話しかけてきた
「!っいえ」
しまった考え事してたから変な声をあげてしまった。
「ブリューゲル公爵は若いのに領地の運営、公務などと大忙しな方でな。社交の場に出ることは大変珍しい。まだ婚約者もいないからご令嬢達の視線が熱いですな!」
ずいぶん忙しい方なんだなぁ…。あれ?そんな設定どこかでどっかで読んだことが…
……‼︎
思いだした!これってあの小説の舞台じゃん!
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