第41話

sideシュガー


(ミート子爵って言ってたな。

早く話を聞きにマドカのところに急ごう。)


僕は急いでマドカのところに戻る。


周りの魔物は全部蹴散らしていく。

こんな魔物にかまってる時間なんてないからね。


マドカのところまでは僕が全力で走っても一時間くらいかかっちゃう。

急いでいるのに…。


ここに来るまではサリーのために魔物を狩ってたんだけど、

ここからは、そんなの関係なく急ぐ。


急いでるのに何でこんなに魔物が多いんだ…。


急いでマドカのところにむかって走り始めてから

一時間程たち、ようやくマドカのいる街が見えてきた。


さっきと一緒で門を飛び越えてマドカの屋敷にむかう。


『マドカ!マドカ!』


時間も関係なく僕は屋敷の外からマドカを呼ぶ。


「シュガーちゃん⁉

どうしたの?」


呼び始めてから少ししたところで、

慌てた様子のマドカが出てきた。


『マドカ!サリーの居る所がわかったんだ!』


「本当なの?

どこにいるの?」


『ミート子爵っていう奴がサリーを

閉じ込めてるらしい。』


「ミート子爵…。

あの人のところにいるのね。

あの人はこの街のみっつとなりの街に住んでる子爵よ。

確か、奴隷の裏オークションで奴隷を買って

何かをしている人だったはずだわ。

あんまりいい噂は聞かないわね。」


そんな…。

サリーが奴隷?


『早く助けないと!

どうしたらいい?』


「あの街には魔物の探知を出来るスキル持ちがいてね…。

今のあなたじゃ助けに行けないわね…。」


『そんな…。

でも僕はサリーに助けに行くって約束したんだ。』


早く助けに行きたいのにうまくいかない。

どうしたらいいんだ!


「シュガーちゃん落ち着いて。

魔物の姿のままじゃ難しいけど、人間の姿になってなら

助けに行けるわ。」


『でも、僕は変身なんてできないよ…。』


人間の姿じゃないと助けに行けないなんて…。


「方法はあるわ。」


方法がある⁉


『どんな方法なの⁉

なんでもするよ!』


「この方法を使うとあなたはもう魔物に戻ることができないのよ。」


『魔物に戻れないってどういうこと?』


「これは、私の母から預かった薬なのだけど、

この薬を飲むと自分のイメージ通りに変身できるの。

でも、変身できるのは一回だけ。

もう、戻ることはできなくなるの。」



『そんなのいいよ!

僕はサリーを助けたいんだ。』


「わかったわ。

じゃあ薬を用意するから少し待ってて。」


魔物の姿に戻れなくなるくらい全然問題じゃない。

そんなことよりも早くサリーを助けたい。

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