第35話

sideシュガー


サリーが居なくなってから半年くらい経ってるけど

戻ってこないし、何の連絡もない。

一体どこに行っちゃったんだろう…


僕はここ最近不安でご飯もあんまり食べれていない。

やっぱりマドカの所に行ってみよう。

早速マドカの所に行くために森の中を走って行く。


街の前に来たのはいいけど、どうやって街に入ろうかな。

僕がそのまま入ろうとしても多分通れないだろう。

外壁を飛び越えて目立たないようにいけば大丈夫かな?


今は夕方くらいでまだ少し明るいからもう少し暗くなったら

飛び越えてマドカの屋敷に行くことにした。


それまでの時間は魔物を狩ったりしてサリーが困ってたら

助けられるようにお金になるものを集めておく。


近くにいたゴブリンや鹿、兎などを狩れるだけ狩って

サリーが僕用に用意してくれた布に乗っけて

それを咥えて外壁を乗り越えることにした。


外壁を超えてマドカの屋敷にたどり着くと

屋敷のマドカの部屋はまだ明りが点いていたので

起きてるだろうと思い屋敷の敷地内に入ってから

吠える。


『わおーーーん』


吠えると警備の人たちが出てきて僕にびっくりして

武器を向けてくる。

でも僕は気に留めずマドカが出てくるまで吠え続ける。


吠えていると前にお世話をしてくれていたトールが出て来た。


「お前、シュガーか?」


トールは武器を構えてこっちを見ている警備の人たちの

間を通って僕の前まできて話かけて来た。


『がう(そうだよ)』


と返事をしたけど多分伝わってないだろう。


「シュガーならお座りしてくれ

シュガーだとは思うけど一応な」


そういわれたので、

すぐにお座りして僕はシュガーだと教えてあげる。


「よし、久しぶりだな!

今マドカ様を呼んでくるからそのまま待っててくれるか?」


『がう(わかった)』


そう返事すると伝わったのかトールは屋敷に戻って行った。


トールが戻って行ってから数分後にマドカがパタパタと

走りながら出て来た。


「シュガーちゃん久しぶり!

急にどうしたの?サリーは?」


久しぶりに会うマドカは前と変わらず優しそうだ。

マドカの問いかけに


『わんわんわんわん

(サリーがもう半年も戻ってこないんだ早く助けないと)』


と説明してから僕の声はマドカに届かないのを思い出した。


「シュガーちゃん今のままじゃお話も出来ないわ。

ちょっとだけ契約させてね」


マドカがそういうのでおとなしく待っていると

マドカが声をかけて来た。


「シュガーちゃん、サリーはどうしたの?」


『サリーがもう半年も戻ってこないんだ。

早く探しに行きたいんだけど僕の姿で探しに行くのも難しいし

手がかりもないからマドカに助けてほしいんだ。』

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