第33話


翌朝起きてからは大変だった。

まず起きる時間が早すぎる…


普段は日が昇ってから起きだしていたんだけど

ここでは、もっと早くて日が昇る前…むしろ夜中だろうという時間に

起こされた。


起きてから質素な朝食(真っ黒になった硬いパンと具無しの味うすいスープ)

を頂いてから、仕事が始まる。


仕事内容はご主人様の朝食の準備、掃除とかだった。

内容的にそんなに難しくないと思ってたら

水は冷たくて手が痛いし掃除する場所が多すぎる!!


掃除が終わる頃には夕方になっていた。

奴隷は沢山いるらしいのだが、奴隷貸し出し等を行っているため

掃除はほぼ一人だ。

大変だったけど何とかやり遂げてサードさんの所に報告に

行くことにした。


「サードさん、お掃除終わりました。」


サードさんを探してそう報告する


「お疲れ様です。

食事は部屋に置いてあるので食べてからもう一度私の所へ

来ていただけますか?」


「わかりました。

ありがとうございます。」


部屋に戻って食事をしてからサードさんの所に行くと

サードさんはご主人様と何か小声で話していた。

声をかけずらくて、サードさん達がいる部屋の前で話が終わるのを待つことにした。


何を話しているかは全然聞き取れないけどかなり真剣に話してるから

きっと大事な話なんだろうな。


「じゃあサード頼んだぞ。」


そう言ってご主人様は部屋から出て来た。

当然部屋の前に居た私とすれ違うので、会釈すると

突然ご主人様がキレだした。


「おい。奴隷の分際で盗み聞きか

お前は昨日買ってきた奴隷だな?

こんな事してタダで済むと思っているのか?」


「わ、私は盗み聞きなんてしてません。

お話が終わるまでお部屋の前で待ってただけです。」


「そんな事言っても騙されないぞ。

こっちにこい。」


そう言って無理やり手を引っ張って連れていかれる。

連れていかれた先は今日掃除の時に入ったらダメと言われていた

地下だった。

地下はかなり広かった。

広い場所に沢山の檻があって檻の中には魔物や亜人等が入っていた。

手を引っ張られながら檻の間を進んでいくと部屋があった。

部屋の中には手錠とかの拘束具付きの椅子がある。


「お前は盗み聞きした犯罪者だからな。」


そう言いながら椅子にくくりつけられた。


「そこで反省してろ

この犯罪者め!」


そう言いながらご主人様は部屋から出て行った。

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