第30話

会場の裏に連れていかれ、そこで待っているように言われた。

オークション中に騒がないようにだろうか、口に猿轡までつけられた。


そのまましばらく待っていると会場の方から


「それではこれよりオークションを開催いたします。」


その掛け声の後は注意事項などが説明された後とうとう

オークションが始まるようだ。


「ではでは、早速一人目の奴隷です!

この奴隷は愛玩、身の回りの世話などにも使える

兎の獣人です!

獣人であるため身体能力も申し分ない!

しかも、スキルはRスキルの解析です!

さらにこの美貌!

50万ルターから開始です!!」


誰か名乗りを上げたのだろう


「はい!26番の方100万ルター!

他には!他にはありませんか??」


そんな感じでオークションは進んでいく。

最初の兎人の人は740万ルターで落札されていた。


それにしてもここ声が丸聞こえで嫌だな…


今は10人目のオークションだけど

その中で買い手がつかなかった人は3人もいた。


私は自分の番が来るまでオークションの方にも気をかけながら

逃げる手段を考えているけど、中々考え付かない。


手枷に足枷がされているし

入口の所には警備の男の人が3人こっちを見ている。

逃げ場がどこにもなさそうだ。


早く帰りたいけど当分逃げれなさそうだな。

シュガーちゃんは大丈夫かな?


そんな事を思っていると遂に私の番が来てしまった

私は男の人に連れられてオークション会場の壇上に来た。

壇上から会場内を見てみるとやっぱり客はみんなマスクをつけて

顔を隠している。

きっと正規の奴隷販売じゃないんだろう。


そんな事を考えていると、私のオークションが始まった。


「はい!次は小さな女の子ですね!

こいつはスキルはOスキルで戦闘等の役には立ちませんが

この歳から買っておくと成長した時に愛玩用としても使えますし

見た目も悪くありません!

20万ルターからスタートです!」


オークションの人がそう言うと、会場の中で

一人の男が手を挙げた


「はい11番の方30万ルター!

他にはいませんか?」


どうやら手を挙げたら金額を挙げて買う意思があるという事らしい。


それから何人かが金額を挙げて

私は80万ルターで売られてしまった。

最初の700万ルターの人と比べたらめちゃくちゃ価値が低いけど

まあ、Oスキルだしね…


私を買ったのは、でっぷりと太った40代くらいのおじさんだった。





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