第2話

「サリー・ラーニンさんですね?」


「はい」


「こちらへどうぞ」


神父様に名前を確認されて

教会の奥の方にある、台座に案内される。


「それでは、この水晶に手をかざして偉大なる神に祈りを捧げるのです。

そうするとスキルを授かることができるでしょう。」


「はい。わかりました」


(お願いです神様私に素敵なスキルを授けてください)


神父様に言われた通りに水晶に手をかざしてそんな事を祈っていると。水晶が光った


「無事にスキルを授かることが出来たようですね。おめでとうございます!」


「ありがとうございます」


そう答えるとスキルを確認した神父様が


「サリー・ラーニンさんあなたのスキルは

Oスキルのスキップです」


え…スキップ?

スキップってあのスキップ…?

なんか飛ぶような歩き方?のスキップだよね…

そんなの何の役にも立たないよ


「サリー帰るわよ」


お母様が冷たい声でそういい私の手を引っ張っていく


「お母様、ごめんなさい

私は全然いいスキル授かることが出来ませんでした。」


そう謝るとお母様が握っている手の力が凄く強くなった

爪がくい込んでくる


「痛い、痛いですお母様」


「うるさい

もう私はあなたの母親じゃないわ」


お母様はそう呟いてからは

私が何を言ってもずっと無言で私の手を引っ張っていく…


あの優しかったお母様が…


家に着くと庭にある物置小屋に閉じ込められた


「今日からあなたの家はそこよ」


そう言ってからお母様は家に入っていった


その日の夜、お父様とお母様がやってきた


「Oスキルを授かったらしいな

せっかく孤児院から拾ってきてやったのに恩を仇で返しやがって」


お父様が顔を真っ赤にしながら怒鳴ってくる


「お前みたいな出来損ない拾ってこなきゃ良かった。お前みたいな恩を仇で返すようなクズは死ねばいいんだ」


そう言いながら何度も何度も殴られた

殴られて気を失ったら


「育ててやった俺がありがたい話をしてやってるのに寝るなんてホンットに最低なクズだな」


そう言いながら下級ポーションを無理やり口に入れられて溺れそうになって慌てて起き上がる


「ゴホッゴホ…も、もう辞めて…」


「喋る元気あるんだろうが

ふざけやがって」


また殴られて気絶したら下級ポーションで溺れさせられて…


私は小さな声で


「もう、辞めて…ください……」


と言うのがやっとだった


「辞めるわけねーだろ

死ねよ死んでしまえ」


「お母様…助けて…」


「あなたは我がラーニン子爵家の恥なのよ

身の程を弁えなさい」


私の所に来てから一言発さなかったお母様なら、と思って声をかけると

冷たい声でそう返された。


ああ、そうか

私はいらない子なんだ

そう思うと全部がどうでも良くなった


お父様は殴るのに疲れたのか

お母様と2人で無言で立ち去って行った


その日から私の生活は一変した。

食事はお昼に硬いパン1つとコップ1杯の水だけ…


お父様とお母様は毎日夜に私の所へきて

罵声を浴びせながら暴力を振るわれる


私の何が行けなかったのかな…

勉強だって頑張ったしちゃんといい子に過ごしてきたのに

ねえ、神様私の何がいけなかったんですか?

私はどうしたら良かったんでしょうか?

いらない子ならどうして私なんか生み出したんですか?


そんな事を考えてると今日もお父様とお母様がやってきたでもいつもと違って2人じゃない

8歳くらいに見える男の子が一緒だ


「エリック、お前はこのクズみたいになるなよ?このクズは育ててやった恩を仇で返すような最低なヤツなんだ」


どうやら私は自分の知らないうちに義理の弟が出来たようだ

エリック君って言ってたかな?

私みたいにならないで欲しいな

こんな思いするの私だけで十分だよ

君は幸せになってね…


そんな事を考えていると、いつもの暴力が始まった


「エリックちゃんと見ておけ

クズはこうなるんだぞ」


髪を掴んで持ち上げられて顔を何度も何度も殴られる

抵抗しようとすると


「親に逆らうのか?

お前はやっぱり最低なクズだな」


そう言って暴力は激しくなる

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