第3話

毎日、毎日暴力を振るわれて暴言を吐かれてどれ位の時間が経ったんだろう


その日もお父様達はやってきた


「おい、クズ!

このエリックを見ろ

お前とは違ってSスキルを手に入れたんだ」


お父様がそう言うと横でエリックは胸を張って


「まあ、僕はお父上とお母上に育てて頂いたご恩を少しでもお返ししたくて頑張って来ましたので」


お父様はエリックの頭を撫でながら

お前とは違うんだと暴言を吐き続ける


「お前みたいなハズレのクズはもういらない

すぐにでも出ていけ!」


出て…いけ…?

出ていけって言うことはやっと…

やっとこの暴力から解放されるって言うこと?


ああ、生きてて良かった…


「早くいけ!

暗いうちに行って二度と顔を見せるな!」


と家の敷地を出るまでおしりを蹴られながら歩いた

喋る気力も、なく無言で立ち去ろうとすると

エリックに髪を引っ張られ


「おい、無能

今まで育てていただいたお父上やお母上に挨拶も出来ないのか!?

そんな礼儀知らずだからお前は無能スキルなんだよ」


「す、すい、ませんでした

今まで…ありがとう、ございました」


何とかお礼をいい立ち去る


「二度と顔をみせるな」

「お前の居場所はどこにもないんだ」

「孤児院にも行けないようにしといたからな」

「街の外で野垂れ死ね」


などと後ろからまだ罵声が聞こえてくる


どこに行こう

とりあえず建物の影に隠れて寝よう


私が今いるのは比較的お金を持ってる富裕層が住む区画だ

こんな所で寝てるのが見つかったら

酷い目に合いそうだから頑張って富裕層の区画を抜けることにした


私は力が入らない体を壁によし懸かりながら進んで行く

やっとの思い出富裕層を抜けて少し進むと暗い路地を見つけたのでそこで寝ることにする


地面に直で寝るのは体が痛くなって大変だったけど、暴力を振るわれないって思うだけでゆっくり寝ることが出来た


ゆっくり寝れたけど飢餓感も喉の乾きも消えてはくれない。

ごはんを食べるためにはお金が必要だ

Oスキルの私にできる仕事はやっぱり冒険者しかない


近くにあった井戸から水を汲んで顔を洗って喉を潤した

(お腹すいたなぁ…)

水でお腹を膨れさせようと沢山飲んだけど

大して意味はなかったみたいだ


冒険者ギルドで簡単な依頼を受けてごはんを食べられるといいな

そんな事を思いながら冒険者ギルドを目指して歩く


冒険者ギルドはでかかった。

3階建ての建物ですごく目立っていたからすぐ見つけることが出来た


建物の中に入ると

右側の方にはテーブルが何個も並んでいてご飯を食べられる酒場のようになっている

左側には受付のカウンターが何個もあってそこに綺麗なお姉さんが座っている


私は1番人が並んでない列に並ぶ

少し待ってると私の番が来たようで


「依頼でしょうか?」


「いえ冒険者の登録をして欲しくて来ました」


「冒険者登録ですか?

登録費用として1万ルター必要ですがお持ちですか?」


1万ルターは銀貨1枚…

お金は全く持ってない


ちなみにお金は

小銅貨1枚10ルター

銅貨1枚100ルター

大銅貨1枚1000ルター

銀貨1枚1万ルター

金貨1枚10万ルター

大金貨1枚100万ルター

白金貨1枚1000万ルター


価値的には50ルターでパン1個買えるらしい

自分で買い物とかした事ないから多少のズレはあるだろうけど


「すいません、お金はないです…」


「かしこまりました

登録費用がない場合ですとギルドで立て替えることも可能ですがその場合立て替えた費用の1万ルターに手数料などで3000ルタープラスされた13000ルター返して貰うことになります。」


「わかりました

それでお願いします

返すのに期限等はありますか?」


「期限は半年間です

この立て替えを利用されますと、以来達成報酬の3分の1を返済分として差し引かせていただきます」


えーっと

13000ルター返し終わるまで依頼の報酬は3分の2になるってことだよね


生活できるかな…

でも登録しないとお金を手に入れることはできない

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