無能スキルで捨てられた孤児

まさ

第1話

私、サリー・ラーニンはとても幸せな日々を過ごしている

里親だけど優しくて美人なお母様メリー・ラーニン

顔は怖いけど頼もしくて強いお父様ドリス・ラーニン


私の産まれは分からない

物心着いた頃には孤児院にいて5歳になった頃に子爵ラーニン家の養子として引き取ってもらった

引き取られてからは家庭教師が付けられこの世界の歴史や国のことなどを教わった


この世界デルドアースは

大きな5つの国が主だった国だ

私が住む国はセンター王国、大陸の中央辺りにある1番大きな国だ

次に大きいのはセンター王国の南の方にあるドルート帝国

その次はセンター王国の東にあるウェート王国

次は西にあるサザール公国

次は北にあるノーテン共和国


この世界では

10歳になると教会で祝福の義を受けてスキルが発現する

スキルは4つに分けられる

ハズレであるOスキル、普通なNスキル、レアなRスキル

激レアなSスキル

それぞれアウト、ノーマル、レア、スーパーレアの頭文字でこの呼び方だそうだ


スキルが悪いとなかなかいい職には付けないから冒険者になる人が多いようだ

まあSスキルの冒険者もいるらしいが


冒険者とは世界に蔓延るモンスターを狩ったり冒険者をまとめる組織である冒険者ギルドに来た依頼を解決したりする職業。


冒険者ギルドでは冒険者にランク付をして競わせている

Fが一番下でそれから順にE、D、C、B、A、S

の七段階あってSが一番上らしい


まあ私は冒険者になる予定はないから

詳しくなくても困らないと思うけどね


私が住んでいるのは両親が領主として治めているラーニンの街

この街の近くには冒険者がよく行くダンジョンや資源が豊富な山があるからとても賑わっている


こんな勉強なんてしたくないんだけどちゃんとするとお母様もお父様も褒めてくれるから頑張っている


勉強を再開しようと思っているとお母様がきた


「サリー明後日はついに祝福の義ね

ご馳走を用意して置かないと行けないわね」


「お母様、まだ素敵なスキルが貰えると決まった訳ではありませんから…」


「あら、サリーなら大丈夫よ

お勉強だって毎日しっかりしてるんですもの

本当に偉いわ」


「素敵なスキルを頂けるように頑張ります」


その言葉を聞くとお母様は満足そうに頷いて立ち去って行った



祝福の義かちょっと憂鬱だな

スキルは自分で選べるわけじゃないからね…


「まあ、なるようにしかならない!」


そう呟いて勉強に戻った


その日から2日間は凄かった

何が凄かったって私がもう凄いスキルを貰ったみたいな雰囲気で褒められまくった。


まだ祝福の義受けてないんだけどな…

なんかこんなに褒められると逆に変なスキルになった時が怖いよ…


そんな弱音を吐いても今日が祝福の義だということに変わりはない。


祝福の義は10歳になった子を集めて1年に1度しか行われない

10歳になった年に受けれなかった子は1年間待たなければスキルを授かれないそうだ


去年は受けれなかった子が多かったのかな?

それともいつもこんなにいるの?

祝福の義を受ける子は全部で50人近くいる


こんな人数の前でOスキルにでもなったらどうしよう…

ダメだ…考えないようにしても嫌なことばかり考えちゃうな

どうせならパッとやってパッと帰らせて欲しい


私は今日祝福の義を受ける中で1番身分が上だからと言うよく分からない理由で1番最後に回されてしまった。まだ13人目だよ

長すぎる…


ちなみに今までスキルを授かった人はみんなNスキルだった

Sスキルとか出さないで欲しいな…


あ、ダメだまた悪い方にばっかり考えちゃう

早く!早く終わって帰りたい!

神父様もっと早く話を終わらせて!

いちいち長いのよ…


34人目でとうとうでてしまった


「Sスキル女神の伊吹Lv5

おめでとうございます!

とてもいいスキルですね

最初からLv5なんて一体いつぶりでしょうか。」


そんな事を大声で教会にいる全員に聞こえるように話している。

Sスキルを貰えなかった人への嫌味なんだろうか?

Sスキルを貰えるのは3年に1人位しか居ないらしいから大袈裟に喧伝するのは分かるんだけど今は私への嫌がらせにしか思えないわ


『3年に1人の逸材はもうでたぞ。お前はこれより下のスキルに決まっている。』

って言われてるような気分になっちゃう


早く終わんないかな

ひたすらそんな事を考えてるととうとう自分の番がやってきた

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