6.東京・女子大 結奈
京都から帰ると、私は寮母の西田さんにお礼を持っていった。
それから、数日たった。
女子大で講義が終わったあと、私は結奈と並んで講義室を出た。私は結奈に言った。
「結奈。なんだか顔色が悪いわよ」
結奈は本当に具合が悪そうだった。青い顔で私に言った。
「そうなの。なんだか、このところ調子が悪いのよ」
私は善意の声を出した。
「気を付けてね。無理をしない方がいいよ」
すると、結奈が私の顔を覗き込んだ。
「ありがとう。
私は用意した答えを返した。
「私も何だか調子が悪いのよ」
結奈の顔が明るくなったような気がした。
「そうなの? 茉央も気を付けなよ」
私は心の中で笑った。嘘よ。私は元気いっぱい。結奈。あなたは、あなたが私に掛けた呪いで死ぬのよ。
結奈は日に日に衰えていった。
私はほくそ笑んだ。もう、お
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