2.東京・女子大 友情

 私の名は茉央まお。東京のS女子大学の大学生だ。地方の高校を卒業して、今はS女子大の学生寮から大学に通っている。


 私には高校の同級生で、高校から付き合ってきた山岡君がいた。山岡君は東京のA大学に通っている。山岡君も私と一緒に東京に出てきて、A大の近くに下宿をしていた。私は大学を卒業したら、彼と結婚したいなって思っている。もちろん、山岡君がプロポーズしてくれたらだが。


 今年の正月だった。私が友人の結奈ゆいなに山岡君を紹介して、三人で初詣に行ったのだ。結奈は私と同じS女子大に自宅から通っている。私と違って、東京生まれの東京育ちだった。結奈と私は大学1年のときに出会った。最初から意気投合し、何をするにも一緒に行動する仲だった。私はそんな親友の結奈に山岡君を自慢したかったのだ。


 ところが、結奈が山岡君に一目ぼれしてしまった。そして、結奈の猛アタックが始まったのだ。私は結奈にやめてと頼んだ。しかし、結奈は「山岡君が茉央と私のどちらを選ぶかよ。私は負けないわ」と言って、やめてくれなかった。こうして、結奈と私の友情が揺らぎ始めたのだ。


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