第6話:このような人たちの役割 ①

私は成人した後に引きこもってしまうのは「自分の能力の肯定をしてもらえないなら、もう自分の生きる道はない。」と感じてしまう事が要因だと考えている。その他にも彼らが必要だと思ってやってきたことが社会では通用しない、自分の学んできたことでも自分よりも上がいるなど“社会的存在意義”と“社会的立場”に苦しんでしまう。そのため、社会に出たいと思ってもこれらの経験や感情が知らぬ間に発生し、このような人たちを知らぬ間に地獄に落としてしまう。だからこそ、私は既存の職業ではなく、何らかの形でアドバイザーでも、外部有識者でもこれらの経験を活かせる活躍の場を与えられることで自らの経験を社会に発信することで自身の中にある劣等感や失敗に対するフラッシュバックなどが浄化されていき、感情が薄くなっていく。これは、社会復帰を目指そうと考えている人が一番陥りやすい問題の1つである。良く言われている引きこもりの要因として“社会生活での失敗”、“就職の失敗”、転職の失敗“など共通項としては”失敗“をしたことが精神的に成長を妨げ、周囲からも孤立していってしまうのだ。もちろん、自身に問題があったとしても何が悪いのかを感じることが難しい事も少なくはないだろう。引きこもってしまう人は何らかのサインは出してくれる場合とくれない場合に分かれてしまう。前者であれば、周囲も気がつきやすく何らかのケアをすることで引きこもることは少ない。そして、周囲に気がついてもらえたという幸福感が増し、仕事に対する熱量が少しずつ上がっていく。これは、本人の自信にもつながっていき、社会から離脱することも防げるだろう。ひきこもりや精神疾患などを経験している社員が在職していることで様子のおかしい社員が出しているサインがなんなのかを見抜くことが出来る。これは、このような経験がない人にはなかなか難しいのだ。特に、オーラや表情、メールや無料通話アプリなどの会話で使われている言葉などから見抜くことは未経験者であれば専門的な知識を有しているか、実際にそういう状態になった人と仕事をしたことがある人でないと難しい。(表情が変わらない場合には誤解を生んでしまうこともあるため。)そして、仕事の進行度などから見抜くことはもっと難しい。


 だからこそ、そのような経験を持っている社員が一人でも居ることで深刻な事態は避けられるのだ。そして、その相手は同性であることが望ましく、異性では逆に身構えてしまうこともある。


 この章で最初に取り上げた“失敗”は誰にでもあると思われがちだが、通常の人が考える失敗とこのようになってしまう寸前の人の失敗では思考的ベクトルが異なっている場合が多い。前者は一般的には失敗をしても即座に自らフォローすること、上司からフォローしてもらえる環境にあることで本人にとっては失敗を恐れないで仕事をすることが出来るようになる。しかし、後者になると初回であれば前者と変わらない状態にはあるが、失敗をしても軽いパニック状態になり、なんとか自力で乗り越えようとしてしまう。

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