第4話:“脱”学歴社会を目指した結果 ②

 日本の場合は下に行くと下に行くだけ仕事に対するベクトルが大きく異なっていく。そうなると、アンバランスド・ワーキングオペレーション(就業割合の不釣り合い)となり、労働に対する意識というのは休暇がきちんと取れることが優先順位の上位を占めており、休暇をきちんと取れないことには若年層の人材は集まらない。場合によっては離職が止まらなくなる可能性もある。そうなると、業界全体の危機に直結してしまう可能性がある。だからこそ、非就業者の中でそのような業界に従事していた人材を優良企業に対して、採用を促し、同時にそのような人たちの労働環境を整備するなど彼らの活躍できる場所を提供し、再び第一線で活躍できるよう、運転感覚などを取り戻してもらうことで少しずつではあるが、状況が改善していくと考えている。


 現在、学歴などは関係ないと言われているが、裏を返すと学歴が色濃く残っていることが多い。そのような現状をどのように打開するか、それらが要因で離れていってしまった人材をどのように元に戻していくかを考えなくてはいけないだろう。むしろ、元の業界に戻りたいと思う人はそこまで多くないだろう。しかし、人材を一から育てるよりも、経験者を採用した方が戦力になるまでの時間を短縮することが出来る。


 その他にも経験者を採用することは会社の成長のスピードにも関わってくるが、1つ難点となるのは会社間の就業ルールの違いや彼らのこれまで培ってきた段取りがその会社の風習などにマッチングするのかという問題がある。むしろ、未経験者だと、基礎から習得しなくてはいけないが、何もないまっさらな状態になっているため、基本的な知識や注意事項に加え、その会社のルールなどを教えてもらえる事が可能となる。それぞれに利点と難点があるが、どちらをとっても会社にとっては戦力が早期に育つか、時間をかけてじっくり育つかで変わってくる。つまり、彼らにとっては学歴とは会社の成長に大切なスピードとフットワークの観点から確実に戦力にするために“方法”でしかないのだ。その戦力が育つかどうかは基本的には実際に採用してみなくては分からない。これは彼らの学歴が重視されていないとしても、会社側としては自社利益に寄与できる人材を欲しがることは周知の事項ではあるが、その人材を確保するには人材争奪戦を勝ち抜かなければならない。そのため、会社によっては理想の人材に出会えなければ時間をかけてでもその人材の確保をしたいのだろう。しかし、そのような理想の人事をかなえられるのは社会的価値が高い会社のみで一般的にはそのような人事では会社を潰してしまうリスクがある。

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脱“学歴社会”を目指す NOTTI @masa_notti

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