第14話 断罪イベント!!! ー前ー
突如として発生した多数のポイズンスライム。
その圧倒的な数により一時は壊滅も目前だった魔法都市だが、少女と『英雄』の活躍により、形成は逆転した。
スライムは魔法が通じるようになったことで、住民のサンドバックと化し、汚染された川の水による病人も、ナサがもたらした聖水の効果により、どんどんと回復し、死者重傷者ともにゼロ人となった。
事件の発生からちょうど一週間がたったこの日。
街の中心、浮島には重い空気が立ち込めていた。
……というのがここまでのお話。
えっと、皆さんお忘れかもしれませんが、どうも。俺です。
言いたいことはたくさんあるが、一言言わせてくれ。
マッッッッッッッジ疲れた。
本当に死ぬかと思った。
もろもろの手回しから、相手の行動の予測、それに対する対処に最適な立ち回りの考え。
まじで、よくやったよと自分で自分を褒めてやりたいよ。
さて、事件が解決したなら、訪れるのはなんの時間でしょう?
そう、犯人の断罪。
コ○ンくんで犯人が暴かれるように、刑事ドラマで崖の手前で話し合うように、事件と断罪は切っても切れない縁なのである。
「ごほんごほん、静粛に。これより、魔法都市特別特急審議会を開始いたします。審判及び最高責任者は、魔法都市代表及び全権代理、ナサ様。司会進行及び魔法都市代表代理は私が務めさせていただきます。なお、特別特急審議会なので、通常の場合とは違い、魔法都市両議会を通さずの決議となります。」
俺は浮島の大会議室に集まった面々の前で、大きく声を張り上げて叫ぶ。
この場にいるのは、俺とナサちゃん、あとは魔法都市議会の人が数名と、議事録などの事務方が数名。そして肝心の被告人さん。あとは、王国からの立会人として勇者パーティーの面々にもおこしいただいている。
ふふふ、このために頑張ったんだ。いまから楽しみで仕方ないぜ……!!
「この度の議題は先日起こったポイズンスライムの大量発生及び河川の汚染についてです。」
俺は手元の資料に沿って話を進めていく。
「これらのことは自然的に発生したとは到底言い難い不自然なものでした。それは専門家による調査からも裏付けられた紛れもない事実です。我々はこの卑劣な犯罪を許さないため犯人を調査したし、その正体を掴んだためこの特別特急審議会を開いております。」
まぁ、もともと犯人は決まっていたも同然なんですけど。
「犯人は、ワルボン公爵です。」
俺は叫びながら目の前のワルボン公爵を指差した。
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