第265話 戦争準備2
『神聖帝国への侵攻準備ですか~』
早速リュフトヒェンは鱗の通信を使用して辺境伯ルクレツィアと連絡を取ることにした。
彼自身は連続で戦争を行うとかふざけるな!と切れられる事も覚悟の上だったのだが、彼女の発言は意外にも肯定的な物だった。
『確かに目の上のたんこぶであり、目下最大の脅威である神聖帝国を排除すれば、この国はしばらくは安全でしょう~。
こちらとしても、防衛陣地のお陰で人的被害は最小限に抑えられたので、軍を動かすのは問題はありません。ただ~。』
『ぶっちゃけお金がないですわ~!防衛陣地を開発するのに多大な金と労力を使った現在、これ以上の多大な出費はめちゃくちゃ痛いですわ~。』
『そのため、こちらからの条件は、かかった戦費は全てそちらが持つ事。それなら戦う事に賛同しますし、こちらの軍も動かしますわ~。』
そのルクレツィアの提案に、リュフトヒェンは一も二もなく頷いた。
金で彼女たちが動いてくれるのなら安いものである。
『了解。それじゃ我のポケットマネーから軍費を支払うわ。無駄遣いじゃないからママンも許してくれるだろう。』
その言葉に、何故か鱗の向こうのルクレツィアがため息をついた。
『こちらとしてはありがたいのですが~こういう時は絶対に割り増しでふっかけてくるのできちんと精査した方がいいですわよ~。
どうにかできるからいいか、とどんぶり勘定だと後々困りますから~。』
その後で話題を変えるべく、鱗の向こうのルクレツィアはごほんと咳払いをする。
『ともあれ、侵攻を行うのなら大義名分は必要ですわ~。ただ侵攻して我々が悪の国だと思われても厄介ですし。
うーん、神聖帝国内部の亜人救済のため、あるいはレジスタンスの救援を受けて彼らを救うために侵攻を行った、というのでどうでしょうか~。』
神聖帝国内部が腐敗しきって悪の帝国になっているのは明白だが、それでも大義名分は整えなければならない。
ただでさえ、勝手に国を作ったこの竜皇国には権威が存在しないのだ。
きちんとした大義名分を明白にしなければならないといけない。
『ああそれと神聖帝国の軍について調べる必要もありますね、楽勝だと思っていたら大苦戦というのは勘弁してほしいですから。』
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