僕だけのナイトパーティー

杜侍音

僕だけのナイトパーティー


 ……みんな寝たかな?



 ここからは僕だけのナイトパーティーだ‼︎

 誰にも邪魔されない! 好きなことができる! 今夜も自由に過ごすぞ〜!

 昼間はずっと寝ているからな〜。僕は圧倒的夜行性なのさ!


 さてと、まずは何からしよっかな〜。

 最初はやっぱり腹ごしらえだな! 腹が減ってちゃ何もできん!

 えーっと、確かこの辺に……お! あったあった‼︎

 これが旨いんだよなぁ〜。

 隠すように仕舞ってたみたいだけど、こんなんじゃすぐ見つけちゃうよ。甘いなぁ全く、このおやつのように甘々だよ!

 僕はおやつの袋をこじ開けると、吸い出すように噛み付いた。


 うぉぉお‼︎ 元気出てきたぁぁ‼︎

 盛り上がってきたぁぁ‼︎

 フィーバァァアタァァアイム‼︎‼︎


 元気いっぱいに部屋の中を走る!

 結構この家デカいからね。どんなに速く走っても怒られることはない!

 ま、もちろん、ぶつかったら危ないんだけど──あ。


 リモコンが落ちて、電池とその蓋が衝撃でどっか飛んでいった。

 それに改めて部屋を見渡すと、本やなんかの書類、こんなのはまだ可愛い方で置きっぱなしのカップも落ちて割れちゃってる。

 ヤバい……この音で起きてきちゃうかな?



 起きない?



 起きた感じしないよね??







 ……ならいっか!

 今夜は僕だけのナイトパーティー! 何したっていいもんねー!

 よぉし、次はこのティッシュを〜めちゃめちゃ出しまーす!

 わぁ〜! ヒラヒラ舞うその姿はまるで蝶みたいだ!

 ティッシュが落ち広がった床は雪原みたい! しかもこのふわふわ感、これが新雪か〜。


 いや〜まだまだ遊び足りないよ。

 でもよく食べて、よく遊んだな〜。

 もう朝日が昇る時間だ……ふわぁ、なんだか疲れて眠くなってきちゃったよ……。



   ◇ ◇ ◇



「ココア! 私が寝ている間、何してたの‼︎」


 起きてきたご主人様はご立腹のようだなー。

 あ、そうそう。僕は猫。ご主人様に飼われているイエネコさ。


 夜は僕たちの踊り場。

 僕の自由は誰にも邪魔させないぜ!


「こんなに部屋散らかして、ちゅ○るも勝手に食べて……はあぁ、これお気に入りのカップだったのに……コ・コ・ア〜‼︎」


 ご主人様は涙目になりながら割れた破片を拾っている。

 お気に入りなら大切に仕舞っておかないと。僕の通り道にある方がいけないんだよ!


 ってぬぉ⁉︎ 

 ご主人様が怒ったフリしながら僕の体を揉みくちゃにして、匂いまで吸ってくる!

 やれやれ、昼間は寝たいというのにこうして付き合ってあげてるんだからさ。

 今夜もまたナイトパーティーしてもいいよね?

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僕だけのナイトパーティー 杜侍音 @nekousagi

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