時は明治。
廃刀令が施行され、侍の時代が完全に終わりを迎えた。
ある処に武士であった男がいた。そして、その街では辻斬り騒ぎが起こっていた。
村人たちはかつてのごとく救いを男に求めたが、男はすでに武士でないがゆえにそれを断る。
だが、警察は世情の大事に追われ対応せず、襲撃は日増しにエスカレートしていき……
敵味方ともに情け容赦ない、それこそ真剣での斬り合いのごとくシャープな描写力が目立つ作品。
無駄をここぞとばかりにそぎ落とし、非常に短くシンプルにすることで、テンポ感を重視しつつも、渋めでダークな雰囲気を壊さなずまとめあげた意欲作です。