真夜中

夜行性

　猫は夜行性である。これは全国一億五千万人が知っている、公然の事実である。そう、

　猫　は　夜　中　に　騒　ぐ　の　で　あ　る。

　とてもうるさいのである。どったんばったん大騒ぎである。昼間寝て体力をチャージして、夜中に騒ぐのだ。すごくうるさい。昼間遊ぼうと猫じゃらしを近づけても無反応なのに、夜中だと反応するのである。これは個人差（この場合は個猫差が正しい）があるが、夜中に騒いで脱糞するのだ。昼間出せ。臭くて起きるじゃないか。やめてくれ。

　そこで考えた。昼間しっかり遊んでやれば、寝るのではないか。この際、何が何でも遊ばせるので、猫じゃらしに反応しない問題は大谷選手に世界の果てまで投げてもらう。

　まず、猫じゃらしを複数持ち、目の前でひたすら振った。結論、腕がとても痛くなった。意外と空中でものを揺らすのが難しいことが分かった。とても良い傾向だ。どこがだ。見向きもしなかったじゃないか。OH……。

　次に、遊んだあとにおやつをあげるようにした。これは過去最高の失敗だと自負する。なぜなら真夜中に猫じゃらしを持って枕元で騒ぎ始めるのだ。遊ぶ・食べる・脱糞の三つをこなせるかららしい。だから夜中に出すな。臭すぎる。

　最後だ。猫を一晩中、部屋に閉じ込めることにした。虐待と言われても、もうやらないことなので許してほしい。だって、悲痛な声でドアをカリカリされたら無理だもの。開けるよ。

　結論。猫は夜中も元気で楽しそうだからOK。

「卒業論文、こんな感じではどうですか？」

「また？　ダメに決まってるでしょ」

「そんなぁ」

　　　完