『ゼロの魔術師』~Sランク勇者パーティを全力でサポートしていたのに追放された最強の魔術師はパーティ恐怖症になったので全力でお一人様無双を始める事にしました。~
041:Bランクなんてありえない!④(追放サイド)
041:Bランクなんてありえない!④(追放サイド)
「いいから座れよ、パフ。お前はまだパーティメンバーなんだからな。俺さまの命令は聞いてもらうぜ?」
「…………手短にお願いしますよ」
よし!!
何とかパフを席に着かせることに成功した。
フン、これが俺さまの話術ってやつだぜ。
これがあったから俺さまたちはSランクのパーティにまで登り詰めたに違いない。
なにがルードだ。
あんな奴はいらねーんだよ。
どいつもこいつもクソ野郎の話をしやがる。
俺さまをイライラさせんじゃねぇよ……!!
「さて、お前が来てからみんなに話すところだったんだが……まずは状況を整理するぞ?」
パフはまだ嫌そうな顔をしているが、この席に着いた時点で……今から始まる会議に同席することに同意した時点でお前の負けなんだよ!
俺さまのトークに酔いな!!
「前回の失敗により俺たちはBランクになっちまった。受けられる依頼のレベルも一気に低下する」
「問題があるのか? 私たちなら余裕で攻略できると判断するが」
「そうですねぇ。あ、でも報酬まで下がってしまうのは残念ですねぇ~」
「良く分かってるじゃねぇか、シーン。メイの言う通りクリアは余裕だ。だが金が入らない。俺たちの実力なら手する金額はもっと高いハズだろ?」
「いやいや妥当ですよ。今の皆さんの実力はBランクですら高すぎると思いますけど?」
「んなワケねぇだろ!! 俺さまたちは元Sランクだぞ!!」
「まだそんな事を言ってるんですか!? 現実見えてないんですか!?」
クソが!!
ダンジョン攻略に失敗してから、いちいち突っかかってきやがる。
顔だけは良いが性格が良くないな。
スフみたいに素直に俺さまに惚れろってんだよ。
「とにかく、今の俺たちには金がないんだ。Bランクで稼ぐにはかなりデカい依頼を取るしかねぇが、今は俺たちに関する悪い噂も流れてる。つまりギルドからの評判も落ちてるってことだ」
「そうなると大きな依頼は受けにくいな。迷惑な事だ」
「そうですねぇ。スフちゃんが抜けてしまうのでしたら新しい仲間も探す必要がありますし、高ランクの人を引き入れるのにはお金が必要なんですけどねぇ?」
「いや、諦めて同じくらいの戦力の人を探した方が良いと思いますけど……Bランクなら見つかるかと」
「バカ言うな!! 俺さまたちはSランクに戻るんだ! そん時に足手まといになられちゃ困るんだよ」
パフうぜええええええええええ!!
いやいや、落ち着け!
今ここでパフともめるのは悪手だ。
上手く利用するんだ、勇者トラン。
俺さまなら出来る!!
「とにかく、手っ取り早く金を稼いでSランクパーティに戻る方法があるんだよ! それが今から行くダンジョンなんだ!!」
そう、これが俺様の切り札だ。
「Sランクパーティになった時に王国からゲットした極秘情報がある。凶悪なモンスターが封印されたという秘密のダンジョンだ。ここを攻める」
「なっ!? そんなところ、勝手に入ったらダメでしょう!?」
「俺さまたちは良いんだよ! 実力はSランクパーティなんだからな! 今まで誰もクリアできず、封印するしかなかったというこのダンジョンを完全攻略すれば、俺さまたちの評価はおのずと急上昇するってもんだろう!?」
そうなればすぐにSランクパーティに返り咲ける!
いや、SSランクへの特進もありえる話だ!!
そうすれば新しい仲間だっていくらでも集まるようになる。
役立たずで反抗的なパフなんてもういらん。
まぁ、パーティに復帰したいと泣いて頼んで来たら考えてやっても良いがな……。
なんといってもダークエルフ……その美貌だけは最高だからな!
こいつの泣き顔には興味があるぜ!
そしてシーンの言う通り、スフの穴を塞ごうと思えばそれなりにまとまった金が必要になるが、このダンジョンを攻略できれば金だってたんまり手に入るのさ。
これですべて解決する。
完璧な計画だ。
俺さまはもう何度でも蘇るぜ!
Sランクパーティの勇者さまとしてなぁ!!
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