全国大会編②~スカイロード攻略~
「空、ごめん! 助かった」
「一也!! こいつら速すぎて当たらないよ!?」
「こういう時はこうするんだよ!!」
空へ飛び乗ってから、持っていた金色の槍を掲げて魔力を込める。
金色の槍は光を発し、俺の魔力を増幅させるように魔法が放たれた。
「敵を一掃せよ!! ライトニングストーム!!」
俺たちの周りを高速で飛ぶ【スカイフィッシュ】を一掃するべく魔法を使用する。
しかし、魔力を察知するのか、俺の放つ範囲からモンスターが逃げてしまう。
「一也も当たってないじゃん」
「当てるまでやり続けるんだよ!! 空も同じように攻撃!」
「逃げてばかりの敵でむかつくもんね!」
「いくぞ!!」
スカイフィッシュを倒すために、空は赤い雷、俺は黄色の雷をまき散らす。
この【スカイロード】にいるモンスターは耐久度が低いが、そのほかの能力が異常なほど高い。
スカイフィッシュも顔の先端が矢のように鋭く、高速で貫こうとしてくる。
見える範囲の攻撃は槍でパリィで弾くことで防ぐ。
しかし、たまに空の体に突き刺さってしまい、痛いと文句を言われる。
「そろそろ力が使えなくなりそう……」
「なら休憩するか」
スカイフィッシュが見当たらないところで空から降りる。
空もドラゴンから子供の体になり、雲の上に座った。
リュックから白龍に渡されたお弁当を取り出して、空に渡す。
「持っていてくれてありがとう!」
「後でお母さんにお礼を言うんだぞ」
「うん! 毎回伝えているよ」
「いい子だ」
空は白龍が作ってくれたお弁当を食べ始める。
俺もついでと言われながら白龍から渡されたお弁当を食べながら周りを見た。
ここは雲の上にあるスカイロードというダンジョン。
ダンジョンがあるのは知っていたものの、どうやってこようかずっと悩んでいた。
空と出かけていたら、たまたま日本の上空を飛んでいてくれたため、攻略に励んでいる。
空はお弁当を食べ終わり、雲の上に立っているのが不思議なのか周辺の探索を始めた。
雲の切れ間まで行ってしまったので、急いで回収へ行く。
「それ以上行くと落ちるぞ」
「すごいね。ここからなんにもないよ!?」
スカイロードの死因第1位は転落死。
夢中になってモンスターと戦っていると、いつのまにか足元に地面が無くなる。
ただ、今の俺はテレポートを使用できるため、その可能性はほとんどない。
(仮にここから転落するとしたら、空が単体で落ちる時だけだな……)
空を休憩場所へ呼び戻し、おやつのクッキーを与える。
食べている間は大人しいため、俺も残りのお弁当を胃の中へかきこんだ。
空は俺がお弁当をかきこんでいるのを嬉しそうに見ていた。
「なんでそんなに嬉しそうなの?」
「一也が夢中になるほど、お母さんの料理が美味しいってことだよね」
「……そうだね」
「僕はそれが嬉しいんだ」
空が満面の笑みで俺の食事を見てくるため、非常に食べにくい。
ただ、箸を少しでも止めると残念そうな顔をされるので、味わいながら早く食べた。
休憩が終わると、空はドラゴンの姿に戻って俺を乗せてくれる。
空と共にこのダンジョンのボスの所へ向かう。
「空、この先にいる敵は空だけで倒してくれる?」
「僕だけ? 任せて!」
「頼むよ」
雲の塊へ突入して、前が見え始めるとそこには天空の王者が待っていた。
このダンジョンの主、【スカイドラゴン】は俺たちを見つけて、すぐに太い炎のブレスをはいてくる。
「バーニングフィスト!!」
炎が弾け飛び、スカイドラゴンが飛び込んでくるので、空から離れて応援を始める。
「空! 相手はお母さんよりも弱いドラゴンだから、全力で倒しに行け!!」
空は俺の言葉に答えることなく、こちらへ迫ってくるスカイドラゴンに対して咆哮していた。
スカイドラゴンも空に向かって咆哮を行い、白龍の子供と天空の王者の戦いが始まる。
空が自分よりもはるかに大きいスカイドラゴンの周囲を素早く飛び回り、赤い雷で攻撃をしていた。
しかし、力の差が大きいのか、空の攻撃をものともせずに、スカイドラゴンはブレスや風を操って空を攻撃してくる。
スカイドラゴンを見ながら、魔力に風の属性を付与する方法を考える。
そもそも、風に影響する魔法など習得していなかったため、挫折してしまう。
(風の魔法はモンスターのみ使えるんだよな……いつか、風を纏ってみたい)
空がスカイドラゴンの風で翼を切られてしまったため、ホーリーヒールで戦いを続けさせる。
墜落しかけた空は、俺のことを気にすることなく戦いを続けた。
戦っている時に気の散るようなことを言わないと約束をしている。
スカイドラゴンと戦う空が力尽きるように雲へ落ちようとしていた。
「空!! ここであきらめたらお母さんを倒すのなんて無理だぞ!!」
「コギャアアアアアアアアアアアア!!」
体に赤い雷を纏わせ、再び空がスカイドラゴンへ向かって飛ぶ。
戦いを眺める俺の後ろから急に声をかけられた。
「あなたは戦わないのですか?」
「ええ、ここのダンジョンはあの子を成長させようと思っているので」
レべ天やポセイドンと同じような気配を感じたので、話しながら後ろを見る。
そこには、大人の男性が立っており、気配を探らなければ普通の人間と見分けがつかない。
しかし、その人の姿を見たらすぐに視線を空に戻す。
動揺してしまい、なぜこの人がこのような恰好なのか頭を悩ませる。
なんとか受け入れていたら、その男性は俺へ微笑んできていた。
「今まで誰も来なかったので、スカイフィッシュだけでも倒していただいて安心しました」
「あの子がスカイドラゴンを倒せるようになるまでここに通うので、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
男性は丁寧に俺へ頭を下げるが、俺は極力姿を見ないようにしながら頭を下げる。
その向こうで空が完全に力尽きて、スカイドラゴンのブレスを正面から受けてしまった。
「すみません、また今度!!」
「ええ、お待ちしております」
俺は空に向かって走り出し、テレポートで空が地面へ落ちる前にキャッチした。
ホーリーヒールで傷を治してから、空を担いでこの場所から走って出る。
俺の背後から赤い光が迫ってきており、背中に熱を感じた瞬間、外へ出ることができた。
ただ、スカイドラゴンから逃げるともれなくダンジョンの外へ放り出されるので、即ワープホールで富士山へ帰る。
空を見て心配する白龍に謝りながら、自分のスキルを確認した。
富士山から帰る時に、自分の限界を超えるために必要なことを考えてしまう。
だが、どうしてもスカイロードにいた守護者の姿が頭を離れない。
(なんであの人全裸だったんだろう……)
◆
スキル
体力回復力向上Lv40
(Lv5) ┣[+剣熟練度Lv5]攻撃速度向上Lv40
(Lv10)┗キュアーLv40
剣熟練度Lv40
(Lv3) ┣挑発Lv40━[上級]宣言Lv40
(Lv5) ┣バッシュLv40
(Lv10)┗ブレイクアタックLv40
両手剣熟練度Lv40[上級+剣熟練度Lv10]
(Lv10)┗一刀両断Lv40
メイス熟練度Lv40
(Lv3) ┣[+ヒールLv3]身体能力向上Lv40
(Lv10)┗魔力回復力向上Lv40
ヒールLv40
(Lv5) ┣移動速度向上Lv40
(Lv10)┗[上級+キュアーLv10]ホーリーヒールLv40
杖熟練度Lv40
(Lv3) ┣ファイヤーアローLv40
(Lv5) ┣ライトニングボルトLv40
┃(Lv10)┗━[上級]ライトニングストームLv40
(Lv10)┗テレポートLv40━[上級]ワープホールLv40
短剣熟練度Lv40
(Lv3) ┣鑑定Lv40
(Lv5) ┣スキル鑑定Lv40
(Lv7) ┣急所突きLv40
(Lv10)┗[上級]隠密Lv40
盾熟練度Lv40
(Lv5) ┣[上級]パリィLv40
(Lv10)┣シールドバッシュLv40
(Lv10)┗[上級]シールドブーメランLv40
拳熟練度Lv40[上級]
(Lv3) ┣アースネイルLv40
(Lv5) ┣[+ファイヤーアロー等]魔力放出Lv40
┃(Lv10)┗属性付与Lv40
(Lv5) ┣旋風脚Lv40
(Lv10)┗錬気Lv40
弓熟練度Lv40
(Lv3) ┣気配察知Lv40
(Lv5) ┣鷹の目Lv40
┃(Lv10)┗[上級]暗視Lv40
(Lv10)┗[上級]マルチプルショットLv40
槍熟練度Lv40
(Lv3) ┣[上級]騎乗Lv40
(Lv5) ┣[上級]ソニックアタックLv40
(Lv10)┗[上級]五月雨突きLv40
銃熟練度Lv1
[シークレットスキル]
守護神の加護
海王の祝福
◆
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