京都攻略編⑰~京都集結~
「我に背を見せるとは愚かなり」
刀を持った人が黒騎士さんに対して、刀を薙ぎ払うように振るっていた。
「くっ!?」
黒騎士さんは腕で守るものの、刀で吹き飛ばされて見えなくなってしまう。
またも私の周りに鬼が現れて、刀を持った人が歩きながら剣を振り上げていた。
「あのような者を呼ぶなど、やはり陰陽師おそるべし。今すぐ死ね!」
私に近づいてきた人がすぐに私へ刀を振り下ろそうとする。
なぜか、その人の後ろから聞こえるはずのない声が発せられていた。
「俺を相手によそ見とはなめすぎだ」
「なに!?」
刀を持った人が吹き飛ばされたはずの黒騎士さんの回し蹴りで私の前から消えた。
瓦礫を巻き込みながら刀を持った人が私から離れていく。
黒騎士さんが周りの鬼も倒し始めるので、私は胸に手を当てながら質問をした。
「あなたが私を助けてくれるんですか?」
「違う! お前も戦うんだろう!? そのためにいるはずだ!!」
「どういう……痛!?」
私が黒騎士さんの言葉の意味を聞こうとした時、またも頭痛が私を襲い始める。
その痛みに耐えながらも、私は黒騎士さんから目を離さない。
『陰陽師とは人を導く存在だ』
「みち……びく……?」
『占いだけではない、自らが戦いに身を投じて、仲間を奮起させるのだ!!』
「あっぐっ!!??」
私の中に私の知らないことが流れ込んできている。
その知識と共に来る痛みは、さっきの痛みが比較にならないほど私の脳をかき混ぜた。
痛みが落ち着かない中、前からは見るからに恐ろしい黒い気を体中から放ちながら、刀を持った人が歩いてきていた。
「いくら殺してもいなくならないゴミが調子に乗るなよ」
周りにいた鬼はすでに倒されており、私を守るように背中を向けた黒騎士さんがその声に答える。
「殺されるために生まれてきた蛆虫が騒ぐんじゃねえ」
「殺す」
「やってみろ」
黒騎士さんは防具とは正反対の白くて荒々しい気を放ち始めた。
刀を持った人がこちらへ向かって走ってくる。
黒騎士さんがわたしから離れる直前に、一言だけ私に伝えてきた。
「役目を果たしてくれ。それだけで状況は変わる」
「役目って……」
黒い気と白い気が激突した時、周囲に暴風が一瞬吹いた。
私は飛んでくる小さな瓦礫から顔を守りながら、言われたことを実行する。
私に流れ込んできた知識を活用して、全身に【力】を込めた。
『そうだ。後は任せた』
「はい!!」
陰陽師としての役割を理解して、私は京都中へ力を届ける。
(自らの意思で行い、自らの希望でみんなと共に戦う!)
私の全身から青い光が放たれ、5本の光の柱が私へ向かってきた。
その光をすべて吸収して、私は願いを【力】に変える。
「私は京都を守護する陰陽師、
京都を守るために戦ってくれる人へ向けて力を放つ。
私から光が収まると、刀を持った人が忌々しく私を見てきた。
「陰陽師はすぐに殺す!!」
「行けると思うな」
「鬼では足止めにもならんか!」
黒騎士さんはなぜか私を守るように全力で戦ってくれている。
それに答えるように、私は黒騎士さんへ占いの結果を告げた。
「次は右から来ます!!」
「小賢しい娘だ!!」
私は刀を持った人の行動を予知して、黒騎士さんへ伝えた。
(これが私の戦うこと!!)
しかし、黒騎士さんは刀を持った人へ決定打を行えず、消耗戦のようになってしまう。
その気持ちを占うと、黒騎士さんはなにかを待っているようだった。
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私の体へ青い光が飛び込んできてから、私も花蓮たちと同じように鬼と戦うことができるようになった。
花蓮と佐々木さんは必死で戦いながら、京都府ギルドへ向かい続けている。
私たちが向かっている道に隙間なく鬼が密集しており、行く手を阻まれた。
それでも花蓮がまっすぐにギルドへ向かおうとするので、私は肩をつかんで花蓮を止める。
「花蓮、そっちは無茶よ! 数が多すぎるわ!」
「回り道をすると遅くなるの!! 佐々木、援護して!! 押し通る!!」
「頼む花蓮! 道を切り開いてくれ!」
花蓮は私の手を振り払って、佐々木さんと共に鬼の密集地へ突撃してしまった。
私も遅れながら2人に続くように走り出す。
(無茶よ花蓮……消耗するだけだわ……)
しかし、花蓮が攻撃を始める前に、私はその道へ飛び込むことができず立ち止まってしまう。
花蓮は自分を奮い立たせるような雄々しい声と共に、鬼へ剣を振り上げる。
「はああああ!! ブレイクアタック!!」
「あの子……あんなことが……」
私もブレイクアタックができるが、せいぜい一角ウサギなどの小モンスターを吹き飛ばすくらいの威力。
目の前で花蓮が行なった攻撃では、花蓮の数十mほど前にいる鬼まで上空に吹き飛ばされていた。
「我が道を遮る敵を一掃せよ!! ライトニングボルト!!!!」
飛ばされた鬼へ止めを刺すように、佐々木さんの魔法が唸りを上げて襲い掛かっている。
2人は密集する鬼をもろともせず進み続けた。
そんな2人を見送ることしかできないが、私は自分の足を止めない。
(私は私の道を探してギルドへ行くの!)
鬼の少ない道を探しながらギルドへ向かっていたら、大通りの向かい側で真央と夏美ちゃんが戦っていた。
ただ、2人の戦い方が尋常ではなく死と隣り合わせの踊りを踊っているような印象を持ってしまう。
真央と夏美ちゃんは鬼の体や金棒の上を走り、戦うと言うよりもひたすらに進み続けていた。
真央は夏美ちゃんを攻撃しようとする鬼のみ切りつけている。
夏美ちゃんは空中に舞い、真央の道を遮る鬼へ弓を連射していた。
2人の移動は速く、すぐに私から見えなくなってしまう。
私も追い付こうと走り出したら、数体の鬼が私を囲む。
「どきなさい!!」
体の底から湧き上がってくる力を使って、普段できないような戦いで鬼を倒す。
なんとかしてギルドへの道まで辿りついた時、私は目の前に広がる鬼の量に絶望してしまう。
(こんな量の鬼……どうすればいいの!?)
ギルドからは絶え間なく鬼があふれ出てきており、京都の冒険者やギルド員の人まで鬼と戦っていた。
私は少しでも前へ進むため、その人たちと共闘しながらギルドを目指すことにした。
鬼はいくら倒しても前に現れて道を塞いでくる。
ギルドがあると思われる場所には何もなく、誰かが立っているように見えた。
注意深く見たら、私が会いたくてどうしようもない人が戦っている。
(黒騎士様も京都に来ていたの!?)
あのお姿を見るだけで気持ちが焦ってしまう。
黒騎士様に殴られた腹部の痛みを思い出しても、あの方のことが胸から離れない。
(私も今行きます!)
そんな私の気持ちをあざ笑うかのように、鬼は私を進ませてくれない。
どんなに必死に剣を振って鬼を倒しても、別の鬼がすぐに現れる。
黒騎士様へ目を向けていたら、空中に鬼が巻き上げられて雷が走っていた。
(まさか、花蓮と佐々木さん!? もうあんなところまで!?)
その反対方向から、真央が鬼の上を滑走するように走り、夏美ちゃんが空中を飛び跳ねている。
やがて、4人はギルドがあったと思われる瓦礫の山へ到達した。
集まるのを待つように、黒騎士様と盾を2枚持った少年が4人の前に現れる。
(待って、待ってよ!! 私もそこへ行きたいの!!)
私の願いは、この戦いが終わるまで叶うことはなかった。
しかし、決して下を向かず、私は瓦礫の上で戦う【7人】の姿を目に焼き付ける。
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俺はようやく集まってくれた4人の仲間に文句を言う。
「みんな遅かったですね。寄り道でもしていたんですか?」
「ちょっと道が混んでいただけよ」
花蓮さんが鼻で笑いながら俺の横に立ってくれた。
仲間が揃ったので、俺はようやく京都イベントのボス【ぬらりひょん】討伐を行える。
「俺は刀を持ったやつと戦います。みんなはこの子を守りながら周辺の敵を倒してください!」
「「「「了解!」」」」
◆
スキル
体力回復力向上Lv40
(Lv5) ┣[+剣熟練度Lv5]攻撃速度向上Lv40
(Lv10)┗キュアーLv40
剣熟練度Lv40
(Lv3) ┣挑発Lv40━[上級]宣言Lv40
(Lv5) ┣バッシュLv40
(Lv10)┗ブレイクアタックLv40
両手剣熟練度Lv20[上級+剣熟練度Lv10]
(Lv10)┗一刀両断Lv20
メイス熟練度Lv40
(Lv3) ┣[+ヒールLv3]身体能力向上Lv40
(Lv10)┗魔力回復力向上Lv40
ヒールLv40
(Lv5) ┣移動速度向上Lv40
(Lv10)┗[上級+キュアーLv10]ホーリーヒールLv40
杖熟練度Lv40
(Lv3) ┣ファイヤーアローLv40
(Lv5) ┣ライトニングボルトLv40
┃(Lv10)┗━[上級]ライトニングストームLv40
(Lv10)┗テレポートLv40━[上級]ワープホールLv40
短剣熟練度Lv40
(Lv3) ┣鑑定Lv15
(Lv5) ┣スキル鑑定Lv40
(Lv7) ┣急所突きLv40
(Lv10)┗[上級]隠密Lv30
盾熟練度Lv40
(Lv5) ┣[上級]パリィLv40
(Lv10)┣シールドバッシュLv40
(Lv10)┗[上級]シールドブーメランLv40
拳熟練度Lv40[上級]
(Lv3) ┣アースネイルLv40
(Lv5) ┣[+ファイヤーアローLv5]
┃バーニングフィストLv40
(Lv5) ┣旋風脚Lv40
(Lv10)┗錬気Lv40
弓熟練度Lv40
(Lv3) ┣気配察知Lv40
(Lv5) ┣鷹の目Lv40
┃(Lv10)┗[上級]暗視Lv20
(Lv10)┗[上級]マルチプルショットLv40
槍熟練度Lv12
(Lv3) ┣[上級]騎乗Lv12
(Lv5) ┣[上級]ソニックアタックLv12
(Lv10)┗[上級]五月雨突きLv12
銃熟練度Lv1
[シークレットスキル]
守護神の加護
海王の祝福
◆
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