第2話 盲目少女と花 アヤの思考

私は生まれつき目が見えない。

家族は目の見えない私に色々と言葉で説明してくれる。

しかし私は、生まれてから何も見た事が無い。

暗闇の世界で生きているのに、色々と言葉で説明されたり、自分の手で触れてから、それが何かを確認している。

両親は私を外に連れ出してくれて、空が綺麗だとか、花が綺麗だとか教えてくれるけど、空の色も知らないから色を言われても分からない。

想像してみるけど、知らないから私の思考は、いつも色は無く、真っ暗闇の世界しか広がっていない。

「そうなんだ」と返すけど、空の色を想像出来ない。

同時に花が綺麗と言われても、花びらには触れられるけど、赤やピンク、黄色に白と綺麗よ、なんて言われても、私はどんな色なのか分からない。

花の色なんて私にとっては、真っ暗闇の色で染まっている。

そんな私に対して、両親はどう思っているのだろう?

私の考えている事は、両親へは伝わらないのかな?

音は聞くことが出来るけど、触れれば多少はどんな形か分かるけど、色だけは分からないから、私は真っ暗闇が好きな色。

みんなは花が好きと言うけど、私は花が嫌い。

カラフルな世界を見てみたいけど、私にはそれが出来ない。

いつも私の世界は真っ暗闇の世界。

それが私の好きな世界。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る