第3話 春
桜のつぼみが花になり、また少し、桜の木が成長したみたいだ。私の中の病気も、休まず成長している。こっちは成長しなくていいのに。
成長してしまったから、さらに生活が不自由になってきた。今まではほとんど行けてた学校へも、週に3日行けたら、いいほどになってきた。どんどん悪化するけれど、どんどん楓との仲が深まってしまうのが苦しい。別れた方が、私のためでも彼のためでもあることは常々思っている。そんなことはわかっているけど、別れなくてはならないという大事な使命よりも、自分の楓への気持ちが勝ってしまう。
春なんかあっという間に過ぎて、終わった。
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