第52話5 最後の瞬間移動
時は妖魔大戦へと戻る。
パステルナークが風の者達と共に戦っている時
風の者達の満身創痍の抵抗の中で
圧倒的多数の妖魔達の力が
一人づつ風の者達を消し去っていく。
既に妖魔達の半数以上を殲滅してはいるが
こちらの状況といえば
最後に残ったパステルナークとエリオット
二人だけであった。
「エリオット、もはやこれまで。引くのだ」
エリオットとパステルナークは
最後の力を振り絞って念動力の瞬間移動を試みる。
瞬間移動をする前に
エリオットは強烈な速度で舞い
クノーを周囲に放つ。
そして消えるはずであった。
しかし
ポーの狙いはエリオットではなく
パステルナークにあった。
エリオットは
「村で会いましょう」
と言って消えている。
ポーは片手をパステルナークに向ける。
破岩術では無い
妖術である。
パステルナークの力を持った妖刀
この世界でポーは最高の剣を持つことになる。
パステルナークが瞬間移動で消える束の間の時
ポーの妖術がパステルナークに僅かに届く。
パステルナークは瞬間移動で
森の中に逃げ込んだが
ポーの妖術がパステルナークの姿を変えようとしている。
これ以上動けない
そう悟ったパステルナークは
意識を集中し
離れて行こうとする意思を留めた。
意思を持った剣
破邪の剣としてこの森で
新たな時を待つ事になる。
その後
何年もの時を越え
パステルナークはロルカに出会い
エリオットの住む約束の地
風の村へと向かうことになった。
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