第4話 攻略スタート?!

 かかか、怪物屋敷?!それはつまり、お化け屋敷?!いや、そうじゃない。絶対そうだと言い切れるのは、他でもない雰囲気と、アンサーバッグのルパンだ。

 アンサーバッグは実際の都市伝説の怪物。てことは、本当の怪物たちが潜んでいるってこともあるかも・・・・・。


「ここは、有名なお化け屋敷なんです。あなたたちは、ここに挑戦しますか?」

 ストレートすぎるくらいに、伯爵風が訊いた。

「いいぜ!やりたい!」

 為義が賛成した。

「なあ、みんないいよな?」

「良いとかというよりも、ここは、一人が賛成したらみなさん全員入れます」

「よっしゃ!!」

 嘘でしょ、巻き添えにされるの?為義、何やってるんだ~~~!

How much is it?何円ですか?

「○○○○」

Oh my god!オーマイガー!

 よほど高かったんだろうな・・・・・

「マークさん、お願い!!」

「ワカッタヨ」

 マークは、すぐに説かれて、金を渡した。


「それでは、契約成立です」

「はい」

「まずは、ルールブックを渡しますので、お読みください」

 と言って、伯爵風は冊子を渡してきた。

 その、ルールブックらしいものは、日本語訳だった。


 ルールブック

 ①ここは、入ると脱出するまで出られません

 ②お金を払ったら、契約成立。つまり、嫌がっても、自動的に入れられることになります

 ③ここには、様々な怪物や毒生物がいます。当然、本物です

 ④中にいる怪物については、放送で解説を流します

 ⑤ここから、脱出できたら、全員を解放します

 ⑥怪物をぶっ倒す、又は弱らせ、逃げ出すとそのフロアがクリアです

 ⑦ある程度の、道具はカバンに入っています

 ⑧ほか、質問があれば、各フロアの入り口にある通話ボタンを押してください


 というもの。

 って・・・・・

「「「「はぁ?!」」」」

 男子三人は同時に言った。女子は、もはや声も出ない。


「というわけで、行ってらっしゃいませ。ルールブックは持って行ってもらってOKですよ」

「いや、それって、強制参加ってもんですよ。それは良くない」

「私は知りません。上層部に言われているだけなので」

 何とかしろよ!!無責任め!!

「それでは、口論はここまで。ルールにのっとってもらいます。私とは、出口まであわないでしょう。それでは、楽しい攻略を!」

 そう言って、伯爵風は入口へ走っていく。

 それと同時に・・・・・

『シャッターが閉まります』

 ドーン!!!!

 巨大なシャッターが身動きを取らせない速さでシャットした。


 今、私たちは・・・・・途方に暮れてオリマス。トホホホホ・・・・・って言っても、状況が全く受け入れていられていない。

「なあ、怪物がいるってどういうことだ?怪物?ってどういうことだ?」

「怪物?!って・・・・・都市伝説とかの?!」

「これは、まずいですね。どうにか出られないでしょうか・・・・・?」

「そんなぁ・・・・・お母さん・・・・・」

「まさか、これが花帆が話していた・・・・・『キメラハウス』か?」

 航志がそれを言った瞬間、一行は凍り付いた。


「一つ質問、ここは、キメラハウスか?」

『ここは、『モンスターマンション』です。もっとも、外部からそう呼ばれているのかもしれませんが。そのことについては知りません。『怪ノ屋敷』の一つですね・・・・・おっと、口が滑ってしまいました。用件はそれだけですか?』

「そうだ!」

『分かりました、それではまた。頑張ってくださいね』

 電話は切れた。

 ハァ~

 みんな、溜め息をつく。

 早速、通信ボタンを押して、あっちと通話したが・・・・・

「答えらしき答えは得られなかったな」

 電話をしていた航志は、いつもとはまた違う、イライラをためているみたいだった。


「じゃあさ、みんなに聞くけどさ、ここを攻略する気はあるのか?俺は、行かないとヤバいと思う」

 副会長が、仕切りだした!!

「私は・・・・・やりたくはないけどさ、やる。出ないと、出られないんだもん。このまま、餓死できないでしょ。私は、怪物のことは良く知ってるつもりだから、行ってみない?」

 最初に決意表明したのは、ホラー女の私だった。

「飢え死ぬのだけは嫌だよ・・・・・」

 食いしん坊未空はそのことしか頭にないの?

「俺も、花帆と一緒だ。行くぜ。俺が散歩したいって言って、しかも、屋敷に入るってわがまま言ったからこうなったんだ。俺の責任だ。すまない」

 え?!為義?!いつもの、為義じゃない。こんな潔い為義見たことない!

「私も、行った方が良いと・・・・・やってみないと分かりません。このまま何もせずに死ぬなんて・・・・・怖いですけど・・・・・」

 聖奈子はもう、泣きそうだ。目にたまった涙を、未空が拭いた。

「ボクモ、ミンナガイクナライクヨ。コノママ、シネナイ。ゼッタイニ!」

 マークさんも。残りは大佑だ。

「分かったよ、行くよ!!行けばいいんでしょ行けば!!覚悟を決めるよ!!ああ・・・・・おかーさーん!!!!」


「よし、決まりだ。最初のフロアに行こう。行くしかないもんな。みんな、絶対にここから、全員そろって脱出するぞ!!!!」


 航志が、応援団長みたいに言った。

「うん。頑張ろう」

「絶対にここを制覇する。あの男を見返してやる」

 私と為義は言葉に出した。未空と、聖奈子、マークはうなずいた。

 大佑は、一人三角座りをしていた。

「大佑?」

「行くか。行こう。ああ、もうやだ・・・・・」

 そんな、弱気の大佑だけど、みんなはうなずいた。決意のこもった静かな目と、仲間に送る優しい笑みを浮かべて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る